■症例
52歳の男性が1ヶ月続く咳のため来院。咳止めを内服しているが改善しないとの訴え。胸部X線や血液検査にて、異常所見を認めなかった。咳喘息と診断し、吸入治療および内服治療を行い、咳は次第に改善した。
■今回のドクター
白井拓史医師/ロータスクリニック
@「咳喘息」ってどんな病気? 咳喘息は、気管支に炎症を起こして咳が長期間続く病気です。多くは風邪に続いておこります。風邪の後に3〜4週間以上咳が続いたら、この病気を考える必要があります。咳喘息は最近増えている病気で、喘息の前段階と考えられています。咳喘息の約30%が喘息に移行するといわれていますので、きちんと診断・治療することが大切です。
A咳喘息の特徴 喘息と違いゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音や呼吸困難がなく、咳だけが長期間続きます。発熱や痰を伴わない空咳です。夜間から明け方にひどくなる傾向にあり、冷たい空気やタバコの煙、会話などで咳き込みやすくなります。胸部X線で異常がないことも特徴のひとつです。
B治療はどうするの? 咳喘息の場合、風邪薬や抗生物質は効果がありません。治療には、「気管支拡張薬」という気管支を拡張させて呼吸を楽にする薬や、吸入ステロイド剤などを使います。薬剤を霧状にして吸入するネブライザーも非常に有効です。咳が治まってきたからといって、すぐに治療を止めてしまわず、根気よく治療を続けることが大切です。
C日常生活で気をつけること タバコを吸うと気管支を刺激して咳が出やすくなります。また、人が吸っているタバコの煙(副流煙)も咳喘息を悪化させるので注意が必要です。温度の変化も良くありませんので、エアコンを使用するときには設定温度を下げすぎないように気をつけて下さい。埃やバイクの排気ガスも要注意です。アルコールやストレスも咳喘息を悪化させる要因になります。
D医師からのアドバイス 咳喘息は症状や経過から総合的に診断する必要があります。なかなか診断がつかず、良くならないまま風邪薬や抗生物質を投与されているケースもみられます。また、頑固な咳が長引く場合には、肺炎、肺結核、肺がんなど咳喘息以外の病気の可能性もあります。必ず医療機関を訪れて、診察と必要な検査を受けるようにして下さい。
(2009年2月号 | 2009年3月10日 火曜日 0:34 JST更新)
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