＜第27回＞
こんな症状に効果的。鍼治療あれこれ

�@「鍼治療」ってどういう療法？
　東洋医学では、全身に流れる「気」が精神的、物理的等のストレスで乱れた状態が「病気」であり、気の調和を保つことが治療だと考えます。一方、西洋医学では、末端神経を通じて脊髄に刺激を与え、エンドルフィンを活性化させて身体の自己治癒力を高めるのが鍼治療だと解釈されています。

　また個人的には、分子レベルの相互作用が鍼治療の根底にあると考えます。つまり細胞間、細胞と組織、組織と臓器が複雑に関与し合う身体のシステムにおいて、免疫、器官、内分泌などに抑制・促進をうながすことで、症状を改善していくのです。

�Aどんな症状に効くの？その効果は？
　背中や首の痛み、高血圧、偏頭痛、生理不順、アレルギー、喘息、消化器系、皮膚、不安神経症、不眠、うつ病、不安発作、慢性疲労など、ストレスやエネルギー不足が原因で起こる症状に効果があります。また、怪我やトラウマの治療にも用いられることがあります。

�B治療期間はどれくらい？
　個人によって異なり、病状や分類によって、一般的に言っても数日から数ヶ月に渡ります。慢性の症状は時間がかかり、逆に肉離れ、打撲傷など急性のケースは数日の治療で治ります。

�C針はどんなものを使うの？
　当院では各個人に、銀製の針一式を用意しています。これらを治療に用いると、さまざまな病気にもつながる体内の酸化状態も分かります。

�C副作用はあるの？
通常、副作用が現れることはありません。しかし鍼治療は身体の特定の生理作用を触媒するため、初回の治療の後に頭痛、吐き気、腸内の不快感、疲労などの症状が出ることがあります。

�E医師からのアドバイス
鍼治療は医療ですから、医師や鍼師など、必ず経験豊かなプロによる治療を受けてください。また、患者自身が誤った生活習慣の改善に協力してはじめて、効果を発揮する療法でもあります。

（2008年6月号 | 2008年6月10日 火曜日 10:37 JST更新）