■症例
ホーチミン在住の32歳日本人男性が、炎天下でのサッカーの試合中、吐き気で動けなくなったためクリニックに来院。クーラーの効いた涼しい病室で点滴をし、3時間後には症状が改善したため帰宅となった。
■今回のドクター
Dr.国本英治/インターナショナルSOSホーチミンクリニック
@熱中症とは? 体には環境の変化に応じて体温を一定に保とうとする働きがあります。暑いときには、末梢の血管の拡張や汗の蒸発によって皮膚から熱を放出して調節します。ところが、水分が不足して汗が出にくかったり、多湿で汗が蒸発しにくいと、熱の放出がうまく行われず、体内に熱がこもってしまいます。その結果おこるさまざまな症状を総称して、熱中症といいます
A原因は? 起こりやすい条件は、ベトナムのような高温多湿の環境下でのスポーツや労働時、体調の悪い時(脱水気味、睡眠不足、下痢、2日酔い等)、基礎疾患(持病)のある方、肥満、高齢者、乳幼児、暑さに弱い人などが挙げられます。
Bどんな症状? 軽度のめまいから中枢神経障害など、さまざまな症状が起こります。 ・軽度/めまい、立ちくらみ、こむら返り ・中等度/頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感 ・重度/立てない、意識障害、ショック いつも軽度から重度へと段階的に悪くなるとは限らず突如、中等度や重度になったり、時には亡くなることもあります。
C治療 軽症時は自身でも対応できますが、中等度以上では医療機関で点滴などの治療が必要です。軽度の場合、風通しのよい涼しい場所で体を冷やし、塩分入りの水分を補給してください。塩分を含まない水、利尿作用があるアルコールやカフェインを含んだ飲み物はお勧めできません。下痢の際に用いるORS(Oral Rehydration Salt)や、スポーツ飲料が最適です。
D注意点・予防対策 屋内外問わず、過度の高温多湿の環境を避けましょう。通気のよい白色系のゆったりとした衣服を着、帽子や日傘の使用をお勧めします。こまめに水分を補給(眠る前も大切です)し、スポーツや仕事など、熱中症になりやすい環境では塩分を含んだ飲み物を特にお勧めします。
(2008年4月号 | 2008年4月7日 月曜日 11:39 JST更新)
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