■症例
日本人男性(45歳)が、腹痛を感じない下痢が続くことを不審に思い、来院。「コレラ」と診断され、脱水症状も見られたため、点滴による塩分・水分補給を行った。
■今回のドクター
Dr.ヤーロン・アツモン(Yaron Atzmon)/ファミリーメディカルプラクティス・ハノイ
@「コレラ」とは 腸がコレラ菌に感染することにより起こる、急性の下痢症です。大量の水様下痢がみられ、一般的に腹痛や発熱は伴いません。軽い下痢ですむこともありますが、1日10リットル以上にも及ぶ下痢となり、重度の脱水症状によって全身の痙攣や尿量の減少といった症状を引き起こすこともあります。
Aコレラの感染経路 コレラ菌は、コレラ菌に汚染された水や食べ物を摂取することによって感染します。いったんコレラ菌に感染した人は、糞便などを通じ、周囲にコレラ菌を広める媒介者となります。また、調理済みの食品がコレラ菌に汚染された場合、食品の中で菌が2週間程度生き残る場合もありますので、注意が必要です。
Bコレラの治療法 時には命を脅かすこともあるコレラですが、適切なタイミングで治療が開始できれば殆どの場合、治癒します。大量の水様便を伴う下痢が見られたら、すぐに医師の診察を受けましょう。軽度の場合は点滴による輸液や経口補水液を飲むことで、下痢で失われた水分と塩分を速やかに補い、簡単に治療できます。重症化を避けるため抗生物質を用いることもありますが、最も重要なのは、失われた水分を補給することです。
Cコレラ菌から身を守るには コレラ菌は水のほか、残り物のご飯、生魚や生ガキなどの海産物、生野菜や果物など、様々な食べ物を汚染します。ただし、加熱調理を十分に行うことで殺菌することができるので、以下のような事柄に気をつけていれば、感染のリスクを下げることができます。 ・飲み水は煮沸する ・密閉されたボトル入りの飲料を飲む ・氷の入った飲み物は避ける ・路上の食堂は避け、衛生基準を満たしたレストランで食事をとる なお、コレラは人から人へ直接伝染することがないため、患者と普通に接する限りは、感染のリスクはありません。
(2007年12月号 | 2007年12月6日 木曜日 10:54 JST更新)
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