■症例
50代男性が、ハロン湾観光中に胸と左腕の激しい痛みを訴えハイフォンで緊急入院。心筋梗塞と判明し、速やかにハノイに搬送。鎮痛と不整脈の管理を行い、容態が落ち着いた後、空路でバンコクに緊急移送。
■今回のドクター
Dr.ブライアン・マクノール(Brian McNaull)/ファミリーメディカルプラクティスハノイ
@「緊急移送」とは 重度の病気や怪我で、滞在場所で十分な治療ができない場合に、より医療設備の整った近隣国に患者を搬送することです。
Aベトナムからはどこへ移送される? バンコクとシンガポールが一般的ですが、日本人の場合は症状が安定していれば、成田や関西空港へ移送することもあります。
B緊急移送が必要な場合 集中治療や綿密なモニタリングが必要な場合、移送が必要です。症例にあげた心筋梗塞では、病状が安定したら可及的速やかに搬送するのが基本。また、原因不明の症状が続き、精密検査が必要な場合や、高度な外科手術が必要な場合も移送されます。病名によって決めるのではなく、患者個々の病状に応じて判断されます。
C当地で治療したほうが良い場合 多くの場合、ベトナムでの治療が可能です。最近、急性虫垂炎の患者が医師から「チャーター機によるバンコクへの移送が必要」と言われ、飛行機の手配を待っている間に盲腸が破裂したケースが報告されました。急性虫垂炎の手術は緊急度が高く、かつ比較的単純なため、当地での手術が、より安全で適切だったと言えます。
D緊急移送は保険でカバー? 保険か自費かは、疾病の内容や契約内容をもとに保険会社が判断します。例えば、疾病治療の限度額が低く、救援者費用等の特約がなければ、多額の自己負担が発生することも。また、慢性疾患や既往症、妊娠に関わるものは免責となるのが通常。保険でカバーされると思ったら、多額の請求書が来た…という例もありますので、ご注意ください。
E緊急移送が必要と言われたら 心臓、脳の発作や重大な怪我などを除き、主治医の判断に納得がいかない場合は、移送と当地治療それぞれの長所、短所について説明を求めましょう。セカンドオピニオンの考慮も必要かもしれません。また移送にはパスポートが必要となるため、保険証と併せて、携帯しておきましょう。
(2007年9月号 | 2007年9月17日 月曜日 10:58 JST更新)
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