■症例
出産経験のある30代女性が、子宮頸癌検査にて細胞異型性を発見。同時にヒト乳頭腫ウィルスに陽性反応あり。さらなる検査にて手術不要と判断されたが、半年〜1年ごとの子宮頸癌検査を指導。
■今回のドクター
Dr. クロード・カヘン(Claude R. Cahen)/コロンビアアジアインターナショナルクリニック
@「HPV」とイボ&子宮頸癌 ベトナムの成人女性に最も多く見られる癌が「子宮頸癌(けいがん)」です。その原因となるのが、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)。100種類以上あるこのウイルスが皮膚や粘膜の細胞に感染すると、その型によって通常のイボ(HPV2型)、性器イボ(HPV6、11型)、子宮頸癌(HPV16、18、31、45型)の原因となります。 ちなみに、幼児に見られるイボは自然になくなることが多いのに比べ、成人の性器イボは、レーザーまたは電気による切除が必要です。
A感染経路は? 前述したHPVの型は、不特定多数の相手との性的接触が主因です。全身へ広がるこれらの型は、例えコンドームを使用しても完全には予防しきれないという報告もあります。ですが感染リスクは、避妊具を使用しない性交渉の回数と比例します。 HPV感染が主に見られるのは14〜26歳。子宮頸癌の場合、性交渉中にHPVキャリアの男性を通して感染することが分かっています。
B男性もご注意を 同性愛者の男性は異性愛者にくらべ、性器イボの感染率が6〜7倍高いだけでなく、子宮頸癌の原因となるHPV16、18、31、45型は、女性粘膜に与えるのと同様の変化を、肛門粘膜で起こします。また、肛門性交を行う同性愛男性は、そうでない場合に比べ、肛門癌のリスクが17〜31倍高くなることが最新の調査で明らかになっています。
C予防するには 9〜26歳の全ての女性は、最近開発されたHPVワクチンの接種をお勧めします。これはベトナムでも間もなく認可される予定ですので、認可後は出来るだけ早い接種をお勧めします。ベトナムでは現在、子宮頸癌検査(パップスミア/PAP Smear)が予防および早期発見の主な手段ですが、これは毎年受けることが必要です。 また、不特定多数との性交渉を避け、コンドームを使用することも大切です。
(2007年8月号/2007年8月3日 金曜日 10:24 JST更新)
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