■症例
34歳の日本人男性が、野良猫に手を引っかかれ僅かに出血。その3日後に来院し、医師の診察を受け、合計5回の暴露後予防注射を受ける。
■今回のドクター
Dr. ジャン−サミュエル・ワーテル(Jean-Samuel Wartel)/フランコ‐ベトナミーズ病院
@狂犬病とは 狂犬病は、深刻な脳炎を引き起こすウイルス性の病気です。このウイルスは、狂犬病の症候のある動物(イヌ、ネコ、コウモリなど)の血液や唾液中に存在します。
A感染経路 一般的には、狂犬病にかかった動物に咬まれた傷口からウイルスが直接・間接的に神経系に侵入して感染します。ウイルスは神経を伝って脳内に侵入、脳に達した時点で脳炎を引き起こし、症状が現れます。
B発症すると死亡する? 感染後の潜伏期間は通常、3日から2週間ですが、2年ほどかかる場合もあります。インフルエンザに似た症状に始まり、その後間もなく脳機能障害、不安、不眠、混乱、興奮、異常行動、幻覚を引き起こし、精神錯乱へと進行して行きます。末期には、大量の唾液や涙が出て、話したり飲み込んだりが不可能になるのが典型的で、「恐水病,」になる場合もあります。発症後は、大半の場合で2〜10日後に死亡。生き延びた極わずかの人は深刻な脳障害をわずらっています。
C動物に咬まれたら 感染している動物に咬まれたら、ウイルスや細菌の数を効果的に減らすため、石鹸と水で傷を洗うことが先決です。傷の場所、大きさ、深さ、破傷風ワクチンの接種状態などを調べて感染のリスクを測るため、直ちに医師の診察を受けてください。
D咬まれた後の注射はいつ? 咬まれた後、14日以内に予防注射を受ければ、感染を高い確率で防げます。28日間で5回の注射(必要に応じて、抗狂犬病免疫グロブリン注射も)が必要。1回目は咬まれた後できるだけ早く、その後は、3、7、14、28日目となります。
E狂犬病に感染しないために ベトナムには、狂犬病の予防接種を受けていないペットが多くいます。まずは、徘徊している動物に触れないこと。咬まれて発症しなかったからといって、その動物が感染していない訳ではないのです。
(2007年4月号/2007年4月9日 月曜日 10:29 JST更新)
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