＜第12回＞
「沈黙の臓器」肝臓を大切に

�@肝機能障害とは
　肝臓の機能が何らかの障害を受け、正常に働かなくなってしまった状態のこと。具体的には、脂肪肝、急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、肝胆道系疾患などがあります。

�A症状はある？
　軽度の肝機能障害は症状がありません。肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれるゆえんです。しかし、ある程度進行すると、全身の倦怠感、食欲不振や吐き気、腹痛、発熱、黄疸、腹水などの症状が現れます。

�Bそれぞれへの対処・治療法は？
【脂肪肝】肝臓の細胞の中に異常に脂肪が増えた状態。食事や運動療法、体重コントロール、アルコールの節制を。

【急性肝炎】ウィルス性なら対症療法が主。アルコールや薬が原因の場合は、摂取を止めることが第一です。

【慢性肝炎】B型やC型肝炎には薬物療法を行い、アルコール性肝炎は禁酒が原則。特に女性は、男性に比べて少量＆短期間の飲酒で肝臓に障害をきたしやすいので注意が必要です。

【肝硬変】肝臓が繊維化して硬くなった状態。いったん肝硬変になると完治することはなく、そのまま進行して肝臓がんになる場合も。腹水が溜まるような場合は繰り返し抜いたり、食道静脈瘤は内視鏡でつぶしたりします。

�C予防に努めよう
■食事は、できる限り火が通ったものを信頼できるところで摂るようにする。
■水や下水などの衛生環境に気をつける。
■A型肝炎やB型肝炎など、可能なものはワクチンを受ける。
■多量のアルコール飲酒は控える。できれば1日1合程度にし、週2日程度の休肝日を作る。
■他人の血液の付いたものには触らない。
■性交渉には必ずコンドームを使用する。必要であればパートナーの肝炎の抗体検査をする。
■むやみによくわからない薬を服用しない。

（2007年3月号／2007年3月9日 金曜日 10:32 JST更新）