いも天

　冬のハノイでは寒くなると、ベトナム風ぜんざい（チェーChe）売りのおばちゃんが、揚げもの屋に大変身。

　油の入った鍋を路上に置き、水で溶いた小麦粉にさつまいもをからめ、その場で揚げて食べさせてくれる。いも自体はあまり甘くないが、衣に少量の砂糖が混ぜてあるためか、頬張ると、ほどよい甘みが口のなかで広がる。

　口がやけどしそうなほどアツアツのこの「バイン・コアイ・ザン」を新聞に包んでもらい、寒空の下で食べるのが冬のハノイならではの醍醐味。ぜひ、一度ご賞味を。1枚1000ドン（約7円）。

（2006年2月号／2006年2月6日 月曜日 8:50 JST更新）