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京都、ベトナムの路地を思わせる細い小路を曲がり入って行くと、お目当ての「XUAN」に到着した。スタイリッシュなカフェ風の店内にはアジア雑貨が飾られ、窓からは優雅な日本風の庭が見える。それがどれも不思議とマッチし、心落ち着く空間となっていた。 実はこの店、その昔は東京にあった。今から10年以上前、東京でベトナム料理店のオープン話が持ち上がり、メインコックとして迎えられたのが、ベトナムで200人以上の応募者の中から選ばれたフォン(Phong)さん。そして当時、洋食の料理人であった桑島里美さんは、知り合いの紹介から店で働く事になり、彼の元でベトナム料理を学んだという。そして1997年、日本橋に「XUAN」がオープン。たくさんのお客さんに支持されたが、物件の都合などで1年程で閉店する結果となった。 しかし、数年の年月を経て2001年、里美さんと奥様の依子さんは、店名を引き継ぎ京都に店を開いたのである。 「ベトナム人はその日市場で買ったものはその日の内に食べる。冷蔵庫はあっても使っていなかったりする。ベトナムで新鮮な素材が持つ本当のおいしさについて、改めて気付かされましたね」と里美さん。 そんな彼の料理はフォンさん直伝のベトナム南部の味をベースに、地元の野菜をたっぷり使った、素材にこだわった料理。中でも特に注目なのが、もともと洋食が専門だった里美さんの感性でベトナム料理のエッセンスをうまく取り入れたベトナムフレンチだ。取材当日にいただいた料理も、京野菜を上手に調理し、ベトナムのタレで味わったり、緑豆や干し海老などのベトナムの素材と地元の野菜を融合させた一品など、どれも洗練されたおいしさ。そして、その料理のスタイルに「なるほど…」とつい言葉が漏れる。 ベトナム料理と言っても、本場でさえ人の数だけ味やスタイルが存在する上、さらにそれを作る日本人の解釈や取り入れ方も、やはり人の数だけ存在する。これと決めつけずに、それらを楽しむことは実に楽しいことだと、私は最近この仕事をしていて感じている。 「ベトナムの面白いところは食べ物をはじめ、全てに様々な文化が融合していてるところ。いろいろな国の良いところを上手に取り入れて自分たちのスタイルを作っていて、非常にニュートラル。そういう風にいろいろなベトナムを取り入れる…それが私達のベトナムスタイルなんです」。 最後に奥様の依子さんが語った言葉に、「なるほど…」と再びうなってしまった。 <RESTAURANT DATA> 【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2008年6月号/2008年5月16日 金曜日 10:57 JST更新) |
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