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都心の有名ベトナム料理店で、ベトナム料理の存在を世にアピールし続けてきた人物がこの度独立を果した。ベトナム料理の人気店、六本木『シクロ』。オープン以来、常にマスコミの脚光を浴びてきた大型店だ。そこで6年間に渡り料理長を務めてきた中塚雅之さん(2005年10月号で紹介)、その彼が高円寺に「オーセンティック」をオープンさせた。 「ベトナムに行っていつも思うのは、とにかくベトナム人が元気で活気に満ちている事。そんな彼らが食べている料理も同様で、とにかく元気を感じるのですよ」。 ベトナムの食の風景を日常的に見ていると、地鶏などの天然の素材をそのまま炭火で焼いたり、山盛りの新鮮な野菜やハーブで料理を巻いて食べたりと、非常にシンプルなものが多い。 「素材にパワーがある分、余計な厚化粧をしなくていいんですよ」と中塚さん。 一方、日本は経済が発展し、贅沢なものが容易に手に入るようになったが、便利になりすぎた分、食に対するエネルギーが不足しているように感じるという。 「日本は元気のない人が多いですよね、あれは『食』が大きく関係していると思うんです」。 そんな事を考えているうちに彼は、ベトナムから「原点に戻る」という事の大切さを感じさせられたという。 「全てを自分で選択し、元気のある肉や野菜を使って力のある料理、エネルギーのある料理を作り、お客さんに提供したい」、そう思うようになり、自分の店を持つ決断をしたというのだ。 今回、私をもてなしてくれた料理はその言葉通り、どれもパワーのあるものばかり。しっかりと鶏の旨味が出たスープで炊かれ、ひたすらこればかり食べ続けてしまいそうになる「ベトナム鶏飯」。新鮮なあさりの風味と爽やかなレモングラスの香りを活かした「貝のレモングラス蒸し」、磯の香りと香ばしさが活きた「ベトナム風焼き魚〜たっぷりの生野菜添え」など、どれも調理法は実にシンプルなのに、食べると非常にインパクトが強い。厚化粧せずシンプルにした分、より素材の持ち味が生きてくる。このインパクトこそが、彼がベトナムで感じた料理の「パワー」なのだろう。 中塚さんの話を聞き、料理を食べていると、彼が伝えていきたいのは、決して「ベトナム料理の魅力」だけではないことを感じてならない。それはきっと、ベトナム料理をツールとした「食の大切さ」とか、「食の持つコミュニケーション」とか、そのような大きな事なのだ。 <RESTAURANT DATA> 【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2007年12月号 | 2007年12月24日 月曜日 10:49 JST更新) |
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