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「この店のスタッフは元々、常連のお客さんだった人が多いんですよ。」と語るのは、店長の木村大祐さん。実は彼自身も、この店の常連客の1人だった。 「『インドシナ』の料理を初めて食べた時、作っている人の温かさを感じました。優しい顔が見えてきそうで。実際に作っている人も想像通りでしたね。」と木村さん。 「調理人、料理、そしてお客さんとの距離感がとてもいい感じで、なかなかこういう店はないな…とファンになって、その後ここで働くことになりました」。 まさに同店の料理人「ユキさん(通称)」に胃袋で落とされてしまったのだ。 このユキさんこと、アイン・トゥイェット(Anh Tuyet/映雪・えいせつの意味)さんは、同店オーナーの奥様で、オーナーの山上巧さんは2006年8月号で紹介した「ベトナム食堂anh(アイン)」のオーナーでもある。彼女の両親は約30年前にベトナム北部から日本へやって来た。料理上手のお母さんは、家族にベトナムの家庭の味を食べさせるため、日本にある食材を工夫して使ってきたという。 そんな料理を食べて育った彼女が作り出すベトナム料理、食べてみると木村さんが語っていた事がすぐに理解できた。ひと口食べて感動、ふた口食べてさらに感動。中でも「白身魚のヌクマムごはん/Ca Com」の配慮には感激した。白いご飯におかずやスープをかけてグチャグチャにして食べるベトナム人、この方法は非常においしいのだが、抵抗がある日本人の為に考えたのがこれ。白いご飯に米粉の衣を使ったカリカリの揚げ魚、ベトナムの魚醤ヌクマム(Nuoc Mam)のタレ、白ゴマ、鶏のスープが付く。最初は魚をほぐしてご飯に混ぜ、ヌクマムとゴマをふりかけて食べ、そして最後は鶏ガラスープを注ぎ、スープご飯として食べてみて…というセット。 「『ひつまぶし』の様に食べて…と言うと、誰もがこの通りに食べてみますね。」と木村さんも自信たっぷりの1品だ。 私が最近食べた「おいしいもの」の中で、ベトナム、日本料理などジャンルを問わず、彼女の料理は最上級だ。彼女はその生い立ちから、日本の食材を使ったベトナムの家庭の味作りに慣れている上、持って生まれたお母さん譲りの味のセンスも光っている。さらに「温かさ、優しさ」という人間的魅力がスパイスとなり、料理をよりおいしくしているのだ。 取材から戻っても、いつまでもユキさんの味を思い出している私。彼女と彼女の作る料理の魅力に、私も胃袋共々落とされてしまっていたのだった。 撮影:西澤智子 <RESTAURANT DATA> 【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2007年11月号 | 2007年11月21日 水曜日 10:42 JST更新) |
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