ベトナム旅行に行く前にちょっとみるベトナム情報サイト | ベトナム旅行手配 | 空港 | ベトナム地図 | ベトナムディレクトリ | |
|
||||||||||||||||||||||
|
|
今回訪ねた「クロープクルア」のオーナーシェフ・高梨勇さんは以前、フランス料理のシェフを務めていた。 「ホテルのレストランで12年程、フランス料理を作っていました。でも、ある時期から仕事のやり方に疑問を感じ、楽しめない辛い状況になって…。そんな時、息抜きにアジアへ通うようになったんです」。 そうしてアジアの料理の美味しさに惹かれ、転職を決意した高梨さん。とあるアジア料理店でタイ料理のシェフの下、仕事をしながら、タイ、ベトナム、インドネシアなどの料理を学んだという。その後、彼は幾つもの店に携わり、2001年に独立。タイとベトナム料理を出す店を、浅草にオープンさせた。 店名がタイ語なので、タイ料理がメインと思うかもしれないが、ベトナム料理への取り組みも本格的。年に1度は自らベトナムを訪れ、新メニューのために現地レストランの厨房に入って料理を学んだり、あちこち食べ歩いたりと、今も勉強を続けているのだという。 「毎年ベトナムに通い、徐々に旅先を南から北へと移しています。ですが、中部にはまってしまったり、何度も訪れてしまう場所が幾つかあったりして、まだまだ北部まで行き着いていないんです」。 彼の料理を食べてみると、その味の作りの繊細さから、さすがは元フレンチのシェフと、感じずにはいられない。それは、フレンチ風ベトナム料理という意味ではなく、アレンジと簡単に呼べるようなものでもない。日本と現地は、気候も食材の味も異なるため、現地そのままに作れば良い、というわけではない。彼はそのことをよく理解し、現地の味を彼なりに分析し、彼独自のフィルターを通して、日本で絶妙に表現しているように思うのだ。 特に、ニャチャンの揚げ魚のサラダからヒントを得て作った「ゴイカーチン・インドシナ(インドシナ風揚げ魚のサラダ)」は、中でも非常に面白い料理。ハスの茎を使っているのだが、日本で手に入るものは酢漬けのみ、そのまま使ってはとても酸っぱい。そこで青いパパイヤや水菜、フレンチ風に大根のコンフィを加えることで、酸味が和らぐようにしている。さらに、ある中部料理店で食べた揚げネットライスペーパーを組み合わせ、食感の面白さにも配慮がなされている。 そんな彼の作るベトナム料理には、素材や料理を良く知っている人の知恵や経験がいっぱい詰まっている。また、現地の味を日本でより美味しく味わえるようにと、じっくり追求した末のデリケートな配慮があるように、私は感じるのだ。 <RESTAURANT DATA> 【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2007年9月号 | 2007年9月26日 水曜日 10:50 JST更新) |
|
Powered by |