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今回訪れた「タイタム」の店主、スージー(Susie)さんはアメリカ育ちのベトナム人だ。ベトナム戦争後、多くのベトナム人がアメリカへ渡ったが、彼女の家族の移住は戦争とは関係なく、戦前からアメリカに移り住んでいたそうだ。 そんな彼女が初めて日本を訪れたのは、1982年の旅行でのこと。もともとアジアが好きでバンコク、マレーシア、シンガポールなどにも滞在したが、特に日本は非常に面白い国に映ったという。その後、彼女は日本に渡り、仕事をしながら日本語を勉強。1986年にメキシコ料理店をオープンさせた。そして後に店をアメリカンバーに変更、多くの客が付くようになったが、今から7年前の2000年、ベトナム料理店としてリニューアルオープンを果たす。そうした経緯から、現在の店にはバー時代からの常連客も多い。 料理は彼女とアルバイトのコック・トアン(Thoan)さんの2人が担当している。もちろん味はスージーさんのレシピ。子供の頃から食べてきた家族の料理をベースにした、やさしい甘さがほっとする南部家庭風の味つけとなっている。 海老のすり身チャオトム(Chao Tom)、牛肉のラロット巻きなどを頼んでみたが、どれも普通より大きめでボリュームたっぷり。そして皿の上で焼きたてをスージーさんが切りわけてくれる。これらは野菜と共にライスペーパーで包んで食べるのだが、ライスペーパーを1枚ずつ湿らせて出してくれるので非常に食べやすい。また、ハーブ類をたくさん使い、味も香草や香辛料の香りを活かした絶妙な味付け。様々なところに細かな気配りが光り、これだけで彼女の人柄が分かるようだ。 そして中でも彼女が特に力を入れているのがフォー(Pho)。実はスージーさんの家族や親戚は、ベトナム、アメリカでフォー屋を営んでいたのだ。幼い頃からフォーの香りを嗅いで育った彼女だけに、香りだけでおいしいスープかどうか分かるのだという。そしてそんな彼女の作るフォーのスープには手抜きはない。 「もっとコストを安く上げる方法はいくらでもあるけれど、おいしくできなければ意味がないでしょ。私のやり方は非常に時間がかかるし面倒だから、皆真似できないと思うわ。」と彼女。 英語、ベトナム語、日本語を混ぜこぜで話すスージーさん、非常に愉快なキャラクターでファンも多い。彼女の優しさがにじみ出る料理やお客さんへの配慮、バイタリティーのある彼女の生き方などを聞いているうちに、私もすぐに彼女のファンになってしまった。 <RESTAURANT DATA> 【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2007年5月号/2007年5月21日 月曜日 10:40 JST更新) |
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