<本日の訪問店>
リトル・サイゴン(東京・下北沢)
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(上から)土井さん/バインセオ(1550円)/レモングラスチャーハン(900円)/生春巻(900円/3本) |
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久しぶりに「これは!」と思うバインセオ(Banh Xeo/ベトナム風お好み焼き)に出会った。ボリュームたっぷり、カリカリとしたクリスピー感。いろいろなお店でこれを食べたが、この店のものは理屈抜きにおいしく、取材だというのに完食してしまった。そんなバインセオが食べられる「リトルサイゴン」は、今年でオープン9年目を迎えた。
「下北の街は関西やベトナムのホーチミン市に気質が似ていて、ここでベトナム料理を売るのはとても面白いですね」と話すのは、同店で2年程前から店長を務める、関西出身の土井慎二さん。以前は同じ会社が経営する他のベトナム料理店で3年程働いていたという。通算、ベトナム料理歴5年。ベトナム料理にさぞかし想い入れがあり、この道を選んだのかと思いきや、実はとても単純な理由だったという。
もともと全く別の業界にいたという彼。ところが興味のあったアジア料理店で働きたいとの思いから、自分の好きな街である下北沢、吉祥寺で仕事を探すこととなった。ベトナムを訪れたことはもちろん、ベトナム料理を食べたこともなかったが、同社の別のベトナム料理屋に出会い、「内装が可愛く、とても雰囲気の良い店」という理由だけで働くことを決めたという。
しかし、彼にとってこれは偶然でなく、必然の出会いだった。店で働くうちにベトナム料理のおいしさに魅了され、その後、仕事で初めてベトナムを訪れた際、本場のおいしさに改めて驚かされたのだという。
「ベトナム料理の持つパワーを感じました。大げさかも知れませんが、ここでおいしい物を食べて『生きている』ということを実感し、これを人に伝えられたらいいなと思いました。すごい料理を作り続けて、皆を喜ばせ続けたいですね」と語る土井さん。帰国後、彼の仕事へのモチベーションが大きくアップしたのは言うまでもない。
土井さんはおいしい料理を提供するだけでなく、お客さんへの接し方にもかなり気を使っている。相手によってアプローチの仕方は変えているが、とにかくお客さんと話すことを大切にして、店に来ることが楽しいと感じてもらいたいという。
「ホーチミン市を訪れた際、ベトナム人が昔からの知り合いのように、かまってくれるのがよかったんです。まるで友達や家族をもてなすように、あんな感じで毎日が正月みたいにお客さんを楽しくもてなしていきたいですね。」
ベトナム料理に魅了され、ベトナムの人に魅了された土井さん。彼は今、日本でべトナム料理のおいしさだけでなく、ベトナムの楽しさも伝えているのだ。
<RESTAURANT DATA>
リトルサイゴン
住所:東京都世田谷区北沢2-19-17 サワダヤビルB1F
電話:03-3414-0076
営業時間:12:00〜24:00
定休日:年中無休
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