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日本のベトナム料理店では最近、ベトナムから呼び寄せたコックのいるところが増えてきているという。彼らが日本でどのようにベトナム料理を作っているのか興味を持った私は、南部出身のベトナム人コック、ファン・ドゥック・ナム(Pham Duc Nam)さんが腕をふるうベトナム料理店「チュングエンダイニング」を訪ねてみることにした。 1年ほど前に日本にやって来たナムさんだが、日本でベトナム料理を作ることに苦労はないかと聞いてみると、「ベトナムで料理をしていた時と変わりません。」との答え。日本人向けだからと特に何かを変えたりはしていないという。確かに日本のベトナム料理店では、本場と異なる味に変えてしまう場合や、始めから作らない料理や使わない調味料も多い。しかしナムさんのやり方は違う。 例えば「フーティウ Hu Tieu」という麺料理。これはベトナム南部では頻繁に食べられているが、日本では「フォー Pho」の方が断然有名。だから、通常この麺をそれ以上の存在にするのは誰もが難しいと考える。しかしこの店では、彼が作るフーティウはとても人気。そして「マムトム Mam Tom」という海老の発酵調味料。これは独特の強烈な臭いがあり、日本人は馴染めないとして使わない店が多い。だが、ベトナム同様に使った結果、これもお客さんは喜んで食べるというのだ。 「日本の『いかの塩辛』を食べ、マムトムの臭いに似ていると思いました。だから日本人にも受け入れられるだろうと普通に使いましたよ。」 そう語るナムさんだけに、彼は「僕の作る料理は日本で一番ベトナムの味に近いでしょう。」と自負している。 「日本のベトナム料理店をあちこち食べ歩きました。材料を見るとタイの食材を使っている店が多かった。しかし、代用品を使うのも1つの方法ですが、僕はベトナムの味をそのまま作りたかったのです。」 この店で人気の「バインセオ Banh Xeo(ベトナム風お好み焼き)」を食べてみる。「タレが命」と言う彼の料理だけに、食感の良さにプラスして、タレの甘さが生地に加えたココナッツミルクの風味をしっかりと引き出していた。さらに「ダムダー Dam Da (=濃い味)なのが南部料理」と彼は言い、その通り、素材自体にしっかりと塩気、甘味、酸味などを付けた、ベトナム南部独特の味に仕上がっていた。 日本でのベトナム料理の可能性を限定せず、ベトナム料理の良さをありのまま表現するナムさん。私はこのお店の今後をとても楽しみにしている。 <RESTAURANT DATA>
【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2006年2月号/2006年2月17日 金曜日 9:02JST更新) |
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