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本日訪れた「VIETNAMESE CYCLO」は、スタイリッシュな飲食店の激戦区である六本木にあり、2000年の6月にオープン。モダンエスニックレストランの先駆けともいえる大型ベトナム料理レストランの登場は、当時のベトナム料理に新たなイメージを作りだし、話題を呼んだ。 私が調理長である中塚雅之さんと知り合ったのは、ベトナム在住の友人が毎日食べている料理を写真と共に綴るブログの中だった。料理に対して頻繁に書き込みをする人がおり、そのコメントはベトナム料理に実に詳しく、只者ではなさそうな雰囲気。私は、この人物の正体がとても気になっていた。そして、その後しばらく経ってから、それが中塚さんと判明したのだ。 中塚さんはこの店の2代目料理長。ベトナム料理の世界に入る前はフランス料理に20年間も携わっていた。「今まで使ったこともない調味料、様々な種類のハーブ、フレンチとは全く違う調理法に圧倒されたのです」と中塚さんは話す。たまたま訪れたベトナムでエスニック料理のもつエネルギーに魅了され、その後ベトナムと日本を何度も行き来し、彼はベトナム料理を学ぶこととなった。 彼の料理はベトナムならではの食材にこだわっている。現地のように料理にたっぷりの香草が添えられていたり、ラロット、青いバナナ、スターフルーツなど、他店があまり使わない食材もきちんと登場する。とにかく食材集めに努力しているのだ。彼がベトナム料理を始めた頃、日本にはベトナムの食材が全くと言っていいほど無かった。 「イタリア料理やタイ料理のように、ベトナム料理が日本の食文化の中で市民権を得るには、この食材の問題を解決しなければならないと思いました。」 そこで中塚さんは「これでは本当のベトナムの味は作れない」と、お店単独で業者に頼み食材集めを始めた。最近では食材もかなり豊富に手に入るようになったが、それでもタイ料理などに比べるとまだまだ少ない。「ベトナム料理の店が増えてはいるけれど、まだ発展途上。現在の段階では各店がライバル視するのではなく協力し合い、いかに食材や情報を共有するかが重要」と考える彼の夢は、ベトナム料理を日本に定着させること。 この店の料理には、私がベトナムで感じたものと同じ香りが漂っている。それはつまり、ベトナム料理に対する愛情がいっぱい詰まっているのだと、私はしみじみと感じた。 <RESTAURANT DATA>
【忍さんのひとくちコメント】 文=伊藤忍(ベトナム料理研究家) (2005年10月20日 木曜日 8:16JST更新) |
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