ホイアンの傑作 Cao Lau
〜風土が生んだ「コシ」と「風味」〜
中部の観光地、ホイアン。ここでは米から作った麺にスパイスの効いたチャーシューや野菜などをのせ、タレであえて食べる麺料理、「カオラウ(Cao Lau)」が有名だ。
フォーなどを含め、ベトナムの麺類の多くは、プルプルとしていて「コシ」がない。その上、日本そばやイタリアのパスタのように原料の粉の持つ「風味」が感じられるものも少ない。しかし、カオラウの麺は他の麺同様に米粉を原料としているのにも関わらず、「コシ」と「風味」が存在する。その理由はホイアンの風土と深く関係があった。
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まず主原料の米。ご当地中部産の香り良いものを使ってこそ、カオラウ独特の「風味」が得られる。米は古すぎても、新米でもいけない。厳選された米を使用することが、程よい弾力と米の香りを生かすポイントとなる。次に、米を挽いた後の粉を練る水は、ホイアンならではの2種類の水が必要である。1つはこの地域の深井戸水。みょうばんと同じような成分を含んでいて、口当たりが良く、かつしっかりと締った生地を作ることができる。もう1つはかんすい。生地をパサ付かせず、しなやかでシコシコとした仕上がりにする。このかんすいに関しては、ホイアンの近くラオチャム島の天然ソーダ水を使っていたとか、中国人から買っていたという説もあるが、いずれにせよ、かんすいのようなつなぎを使った麺作りは中国の影響を受けてこの土地に伝えられた。 |
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