ホイアンの隠れた名産物 Banh Dap
〜食感と景観を楽しむ〜
町の南東にあるCam Nam橋を渡ると、向こう岸の小島の一帯に「Banh Dap」という同じ品書きばかりを掲げる店が並んでいる。この「Banh Dap」、実はホイアンの隠れた名物でもあるのだ。
名物の材料はライスペーパー。作り方は普通のものと何ら変わりはないが、極薄く仕上げたものを使っている。ではどこが名物料理なのだろうか?それはこの料理が味ではなく「食感」を楽しむために考えたオリジナルメニューだからだ。
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「Banh Dap」はライスペーパーという1つの素材に、2つの作り方を用いて誕生した。ひとつは天日に干す前の蒸したてのモチモチした状態。もうひとつは天日に干したものを炭火で焼いたパリパリの状態。これらを交互に3層ぐらい重ねることで、新しい食感を作り出したのである。
皿に盛られた固まりを見ると、どうやって食べるのか戸惑ってしまうが、食べ方こそがこの名前と大いに関係があった。「Banh Dap」のBanhは粉物などを加工して作ったお餅やお菓子などの総称であり、Dapは直訳すると「踏む」の意味がある。足で踏むかのように、この重なりに手の平を押し付ける。するとパリパリの方がつぶされヒビが入るので、それに添って全体を一口大にちぎる。それを小魚を発酵させて作ったタレに付けて食べるのである。 |
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