〜してあげますよ
「親切」なのか「おせっかい」なのか。時と場合によってその結論は異なりますが、ベトナムでは「 =デー トイ ラム チョー」(=〜してあげますよ)と言われる機会が多いものです。
例えば、なかなかオートバイのエンジンがかからず、道端で往生している時に、どこからともなく現れるセオム( =セー オム/バイクタクシー)のおじちゃん。しばらくこちらの様子を伺った後、おもむろに近づいてきて「 =デー トイ ラム チョー 」(=オレがやってやるよ)。相手はバイク運転を生業とするプロですから、こちらは期待して、おじちゃんが何度も試みるのを見守ります。しばらくして彼が言うことには、「 =ホン ドゥオック セー エム ビ フー ゾーイ(=ダメだな。バイクが壊れてるぞ)。「えー!」というこちらの思いを尻目に、一仕事を終えた彼は悠然と去っていくことでしょう(もちろん、ちゃんとがかかることもありますが)。
あるいは、地図を片手に立ち尽くしていると、いつの間にか側にいるセオムのおじちゃん(No. 2)。「 =デー トイ セム チョー」(=オレが見てやるよ)と覗き込むものの「…(沈黙)」。そのまま立ち去ってしまいます(ベトナムでは地図を見るのが苦手な人が多いのです)。
つまり「 =デー トイ ラム チョー」とは、あくまで親切心から出た言葉とはいえ、必ずしも結果を約束するものではないのです。「 =ラム」の部分を、「 =セム」(見る)、「 =ホーイ」(尋ねる)、「 =ムア」(買う)、「 =スーア」(修理する)などに置き換えて、気軽に使ってみましょう。
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