「酒が入れば言葉が出る」
ローカルの飲み屋や結婚式などでは、参加者の年齢等には関係なく「 (モッ ハーイ バー、 ヨー)」と、学生の飲み会のような勢いで、それはそれは盛り上がっている光景をよく目にします。そこで今回は、酒の席に関する表現をご紹介しましょう。
日本でも「酒とビール」というように、ベトナムでも「 (ジウ {南:ルォウ})」(酒)と「 (ビア)」(ビール)はまったく別の扱いを受けています。氷を入れて気軽に飲むのが「 (ビア)」とすれば、本腰を入れて飲むものが「 (ジウ)」という区別です。例えば「のみに行く」には、「 (ディー ウオン ビア)」(ビールを飲みに行く)と「 (ディー ウオン ジウ)」の2つがありますが、後者はしばしば「 (ディー ニャウ)」(呑みに行く)という言い方をします。「呑む」という気合が感じられるのが「」。ベトナム人の知人に「」と言えば、酒好きなら「にやっ」とし、飲めない人からは「えっ?!」という反応が返ってきます。お試しください。
これでお分かりのように、ワインや焼酎などの強い酒を指す「 (ジウ)」は、予想される結果として心もちが良くなり、気持ちがゆるんで、舌も滑らかになるもの。そんな様子を表す言葉に「 (ジウ ヴァオ ローイ ザー)」(酒が入れば言葉が出る)があります。ちなみに、漢越語(漢から入ってきた言葉)で言うと「 (トゥー ニャップ ゴン スアット)」(酒入言出)となり、さらに分かりやすいですね。
と、酒について語るとついつい饒舌(じょうぜつ)に…。「 (ニュン トイ チェア シエン ダウ)」(でもまだ酔ってはいませんよ!) |