「ご飯には飽きた、フォーを食べたい」
日本と同じく、お米の国であるベトナム。お米は毎日食べるもので、「ご飯を食べる」=「 (アン コム)」(コメ/ご飯を食べる)という表現も日本と同じ感覚です。
さて日本では、コメが主食であるものの、パンやパスタをはじめ、実に様々な国の料理を食べることが当たり前。毎日同じものを食べていたら、いくら好物でも飽きてしまう。味に保守的と言われるベトナム語にも、「 (チャーン コム テム フォー)」という表現があります。
先に単語の説明から。「 (チャーン)」は「嫌になる、飽きる、退屈する」、「 (コム)」は「ご飯」、「 (テム)」は「欲する、むさぼる」、「 (フォー)」は日本でもすっかりおなじみの米麺料理「フォー」。つまり、「 (チャーン コム テム フォー)」とは「ご飯には飽きた、フォーを食べたい」という意味になります。
さて、もうお気づきの方もいるでしょう。この表現、そのままの意味で使うわけではありません。「毎日食べるご飯」とは自分の妻/夫、または恋人を、「時々食べるフォー」とは、愛人を指します。「 (チャーン コム テム フォー)」を日本風に言い換えれば、「毎日ご飯を食べてたら、たまにはうどんが恋しくなるだろ?」といった感覚の表現でしょう。これはズバリ、浮気の言い訳表現にもなるのです。
ちなみに、「 (チャーン コム テム フォー)」は主に男性が使う表現で、ベトナム人男性に言えばウケることでしょう。ただし、女性の居る前で口にすれば、ヒンシュクを買うこと請け合いです。 |