「危ないよ、通して!」
ベトナムの市場は、生鮮食品から衣類まで、ありとあらゆるものが溢れています。物欲を刺激され、市場の隅々まであちこち歩き回るのは、楽しくもあり、ちょっとしんどくもあり。というのも、特に大きな市場になると、四六時中、物に負けない数の人で溢れかえっているためです。
ところで、市場内には食堂もあり、各店から出前を取ることもできます。だから、洋服をみている人々でごった返しているすぐ横を、熱々のスープがたっぷり入ったどんぶりを抱えたおばちゃんが通り過ぎる、なんて光景もあります。
そんな時、相手に「危ないよ、通して!」という言い方が「 (ヌック ソーイ)」。「 (ヌック)」=「水」、「 (ソーイ)」=「沸騰する/させる」ですから、「 (ヌック ソーイ)」は元来、「熱湯」という意味。もちろん、そのままの意味でも使えます。
また、背中を向けている人が、通りすがりに急に振り向いてぶつからないよう、「 (ヌック ソーイ、チ オーイ)」(お姉さん、危ないよ!)と注意を促す言葉でもあるです。これは、お茶道具や熱いものを運んでいる時以外でも使えます。
「 (ラーム オン チョー クアー ヴォーイ)」(通してください)や、「 (チョー エム ニョー モッ カーイ)」(年上に対して丁寧に「通してください」)などの表現もありますが、一言、「 (ヌック ソーイ)」(熱湯!)と叫ぶ(?)方が効果が高そう。丁寧にお願いしてもだめなとき、先を急いでいるときなどに使ってみましょう。
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