「そうなんですか」
このコラムの読者の方々から「ベトナム語って、やっぱり発音が難しい。結局ひとつも覚えられない」というコメントを頂くことがあります。そんな時、何か言わなくてはいけないと思いつつ、何だか動揺してうまく返せないこともしばしばです。
このような場合、日本語なら「そうですねぇ」、「そうですか」と、ひとまず相槌をうちませんか? そんな表現のベトナム語版が、この「 (テー アー)」です。
「 (テー)」は「〜のような」、「 (アー)」は文末につけて、軽い驚きをあらわす言い方。つまり「 (テー アー)」は「そうなんですか」という意味になります。
ここで、日本語との大きな違い、というかベトナム語独特の使い方があります。例えば、「 (シン ローイ、アイン(チ) テン ジー?)」(失礼ですが、お名前は?)と聞かれたら「 (トイ テン ラー ●●).」(私は●●です)と答えます。ここまでは問題ありません。この後、相手も自分の名を名乗るのかと思っていると「 (テー アー)」と返される場合があります。しかも、それだけ。相手は自分の名前を名乗ってくれない。「お名前は?」「●●です」「そうですか」(会話終了)。…なんだか、寂しいような可笑しいような感じです。
これは別に、相手が自分に無関心という意味ではなく、あくまでベトナム流の会話スタイル。相手が名乗らなければ「 (コン アイン(チ)?)」=「あなた(のお名前)は?」と聞き返せば問題ありません。
え? やっぱりベトナム語は難しい? (テー アー)... |