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「戦争のイメージしかなかったので、特に子どもたちが目を輝かせながら外で元気に遊びまわっている姿に驚かされました」。 ホーチミン市で日本製玩具の卸売業を行う「アンディン社」顧問の安田庄一さんは、初めてこの地を訪れた20年前のことを振り返る。 「1996年に現在の会社を設立するとき、自分の好きな『子ども』という分野で、まだ誰もやっていないことをやろうと考えました」。 そうして安田さんは子どもの衣類、玩具、文具、児童書などを販売する小売店と、日本の玩具を輸入販売する問屋業を開始した。 子ども向け小売店は当時では目新しく好評だったが、「子どもの贅沢心をあおる」などとメディアから批判されたり、平日は子どもが学校へ通っているため客足が少なかったりといった事情から1年で閉店し、問屋業に専念することに。 「ベトナム南部の玩具は、華人街・チョロン(Cho Lon)の問屋から出回っている中国製がほとんどです。それらは安く手に入りますが、作りが雑などといった理由から安全面で問題が多発しています」。 そこで安田さんが仕入れたのは、日本の玩具メーカー「トミー(現・タカラトミー)」製のミニカー「トミカ」と、プラスチックのレールをつなげて新幹線や電車を走らせて遊ぶ「プラレール」だ。 「90年代後半から車が普及しはじめたので、『トミカ』は大人気でした。ただ、子どもたちが見たことのない電車の玩具の売れ行きはあまり良くありませんでした」。 そして、日本のアニメが普及するようになった2003年頃より、安田さんは「バンダイ」の「ガンダム」や「戦隊」シリーズなどのキャラクター商品を扱い始めた。 「2009年の12月から日本のアニメ『ドラえもん』、『爆丸』などが放映されます。それに合わせてキャラクター商品を販売していきます」。 日本ではアニメの中で新たなキャラクターやアイテムが登場するのに合わせて、その玩具を同時に販売するのが一般的だが、ベトナムでは初の試みだ。 「日本人とベトナム人の子どもの玩具の好みは似ているので、新しい日本のアニメの玩具もきっと受け入れられるでしょう」。 とは言っても、やはり多少の好みの違いはあるという。 「例えばミニカーなら、日本では軽自動車も人気ですが、ベトナムの子どもは高級車への憧れが強く、軽自動車のモデルは好まれません」。 また親たちの考え方も日本と異なる点があるという。 「ベトナムでは男の子が大切にされる習慣がまだ残っており、人形などの女児用玩具はあまり売れません。今はまだ難しいですが、アオザイ(Ao Dai)を着せたベトナムオリジナルのリカちゃん人形を開発し、女の子の玩具も盛り上げていけたらと考えています」。 そんな安田さんが、ベトナムの子どもたちへの願いを語る。 「ひと昔前まで、ベトナムには子どもたちが外を駆け回れる環境があったので、玩具はそれほど必要とされていませんでした。ですが現在のベトナムの都市部ではそのような環境が減ってきています。だからこそ、安全性が高く質のいい玩具を普及させ、子どもたちに遊ぶ喜びを伝えていきたいのです。そして遊びから様々なことを学び成長してほしいと思っています」。 (2010年1月号/ 2010年1月26日 火曜日 15:23 JST更新) |
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