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「長年お世話になったベトナムに恩返しがしたくて。半分日本人、半分べトナム人、という気持ちで、人材育成に日々奮闘しています」。 そう語る藤井さんはベトナムと関わって今年で約15年になる。1994年より12年間、「松下電器産業」のベトナムでの合弁会社設立に携わり、社長を務めた。初めはなかなか本音を言わないベトナム人に戸惑ったが、在住2年目頃から彼らとの信頼関係を築けるようになり、どんどんベトナムが好きになっていったという。 そんな彼が定年退職後、ベトナムの人材育成と両国間の相互理解を促進する「ベトナム・日本人材協力センター(VJCC)」のホーチミン市所長に任命された。 「近年、ベトナムの若い人たちの中で、日本で働くことや日系企業への就職を本気で志す人が増えています。センターでは、そういった彼らにビジネスレベルの日本語を教えたり、経営者や中間管理者育成のためのビジネスコースやセミナーの開催、カウンセリングや現場指導などを行っています」。 藤井さんから見て、ベトナム人は忍耐力が強く責任感があり、単純作業に優れているという。反面、現場で必要とされる応用力や実践力に乏しく、上からの指示を待ち、自分からはあまり提案しない傾向があると話す。 「語学も重要ですが、これからは日本人と働く上で必要なマナーや文化を深く知ってもらい、また日本の大学生との交流をはかるなどして、まずは日本人を知ってもらうことが大切です」。 また藤井さんは、ベトナム人と共に仕事をしていた時の経験から、意思疎通の難しさを指摘する。 「彼らは会話の中でよく『知っています』と返答しますが、その単語自体は知っていても、実は意味や内容を理解していないということがよくありました。日系企業で働くベトナム人も、ベトナムで働く日本人もコミュニケーションでつまづくことが多いかと思います」。 そこで約500項目の専門用語とその説明が掲載されている『日本語‐ベトナム語・企業経営用語辞典』をセンターで1年半かけてまとめ、2009年5月に発行した。「この辞典は日本語のスキルアップのためではなく、職場での日本人とベトナム人のコミュニケーションを手助けするために作りました。わからない単語を指さしながら会話して下さい」。 辞典を手に取り嬉しそうに語る藤井さんだが、まだまだベトナムでやらなければならないことがあるという。 「私が見てきた十数年間でこの国は大きく成長しました。近い将来、製造業などにおける日本のパートナーとなるのはベトナムだと予想しています。ただ、課題点も多くあります。ベトナムは原材料となる資源は豊かですが、裾野産業の遅れは否めません。ですから、セミナー開催や企業のトップに立てる人材の育成に、これまで以上に力を注いでいきたいのです」。 藤井さんは、ベトナムが世界へと羽ばたく時はもうすぐだと確信している。 「自分が教えたベトナム人が起業したり、現場で活躍したりしているところを見たいんです。あと5年以内に世界と戦えるベトナムの企業が出てくることが私の願いです。この国の成功を見る日まで、私は走り続けますよ」。 (2009年11月号/ 2010年1月26日 火曜日 15:23 JST更新) |
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