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席は1つ、シャンプー台も1つという小さなヘアサロン「ハミングバード」。そこでシャンプーからカット、仕上げのスタイリングまで全てを担当しているのが、山下モモさんだ。 彼女が美容師の道を進むことを決心したのは高校生の時。「もっとやりがいのあることをしたい!」と美容室に入社し、高校を中途退学。その後、日本美容専門学校を経て、国家美容師免許を取得した。 それから東京の美容室で勤務していたが、長年ベトナムに住んでいる叔父を訪ねて、2007年にホーチミン市を旅行した。 「帰国してから、東京で開催された『ベトナムフェスティバル』にダンサーとして出演しました。ベトナム人も大勢来ていて、何かベトナムの温かさを感じたんです」。 その時にベトナム再訪を決め、わずか1ヶ月後には、ホーチミン市内にある美容室を間借りし、ベトナムでの生活をスタートさせた。 「海外では、言葉が通じないなど、あらゆる場面で不安をおぼえるものだと思います。美容室は髪を整えるだけでなく、気分をリラックスさせる場でもあるんです。どうしたらお客様に心から安心していただけるかを考え、自分1人でお客様の施術をすべて担当しようと思い立ちました」。 そうと決めたら即実行。彼女は2009年2月、自身のヘアサロン「ハミングバード」をオープンした。 「さまざまな国籍のお客様がいらっしゃいますが、ベトナム人の方は特に美意識が高く、日本のヘアスタイルに憧れて来店される方が多いですね。また、最近ではボブが流行したり、自分に似合った自然なカラーリングをしたりと、どんどんお洒落になっています」。 そうはいっても、ベトナムの美容業界はこれからだとモモさんは感じている。 「日本では学校でも職場でも、技術と共に理論も学べる環境が整っています。ベトナム人は器用と言われるだけあって、美容師さんにテクニックを教えるとすぐ真似できるのですが、根拠なくなんとなくこなしている、という人が多いように感じます。また、少し前まで、ローカルの美容室ではカラーリングの際に脱色してから色を入れるなど、髪に必要以上のダメージを与えてしまう施術が目立ちました」。 また、彼女のサロンに来店するベトナム人は、日本で流行の髪型を真似したいと思っている一方で、やはり彼らの好みは日本人とは異なるという。 「ベトナム人の方はきつめのパーマなど派手な髪型を好む傾向があります。求めているスタイルを知ることは大切ですが、私なりに、その方の個性にぴったりの髪型を提案していきたいんです」。 そんな彼女には、今後ベトナムでやりたいことがある。 「日本で親戚が福祉施設を経営していて、以前から障害者やお年寄りの方々と接する機会が多かったんです。お婆さんに口紅をつけてあげると、普段より明るくなるんですよ。美には心を元気にする力があるんです。だからベトナムの障害者施設で髪を切らせてもらいたいな、と。自分の持つ技術を通して人と触れ合い、ベトナムの社会に少しでも貢献できたら嬉しいです。サロンに来てくださるお客様を含め、担当させていただいた方に、ご満足いただくことこそが美容師としての喜びですから」。 (2009年9月号/ 2010年1月26日 火曜日 15:23 JST更新) |
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