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「会社も野球も1つのチームです。1人1人をいい人材に育てれば、いいチームができる。そして1つのことに一丸となっていく。どこの国でも、何をするにしても、最も重要なことだと思うんです」。 「有限会社インキュベーション」の取締役社長である西村重明さんは、自信を持ってそう語る。 学生の頃からコンピュータに触れるのが好きだったことから、IT関係の道へ進むことに。 「まずはエンジニアとして働き、その後は外資系企業でシステム管理やネットワーク開発、プログラム開発などに携わりました」。 そうやってキャリアアップをしてきた西村さんが30代後半にさしかかった頃のこと。彼を含め、周りのIT関係の仲間たちが皆、ベトナムでの事業に注目し始めた。また、車椅子生活をする母親を思い、気候が暖かく暮らしやすい国への移住を考えていたこともあり、ベトナムでの生活に本気で興味が沸いてきたという。そんな矢先、偶然にもベトナムでの現地法人社長にならないかという話が舞い込んできたのだ。 そうして2007年より、ベトナムで携帯電話のプログラミングなどの事業にたずさわることに。しかし、自分の方針と会社のそれとが合わず、退社を決意。その年の暮れには帰国しようかと悩む日々が続いた。 そんな時、ベトナム在住の日本人児童への野球指導を依頼された。 「私自身、子どもの頃から大の野球好きだったんです。子どもたちに野球を教えることをきっかけに、ホーチミン市のRMIT大学の野球チームの監督を務めることにもなりました」。 野球のおかげで仕事で行き詰まった気持ちも晴れ、また友人や家族からの後押しもあって、2008年6月に自らベトナム現地法人を設立。現在、主にネットワークの構築やシステム開発などを行っている。インターネット回線の遅さやそれが天候に左右されること、電力供給が悪いことなど、日本にはない問題点も多々あるが、そんな環境の中で1番力を入れているのが、海外でのビジネスに対応できる人材の育成だという。 「社名の『インキュベーション』とは『育む』という意味があります。ベトナムは人口の半分以上が30歳以下という若者大国。そして社員を見ていてもそうですが、向上心が高く、海外に憧れを抱いている人が多いように感じます。 もちろん、文化の違いからコミュニケーションの取り方に問題が生じる場合もあります。だからこそ、ベトナム国内でのヒューマンスキルを向上させていけば、ベトナムを拠点に日本、アメリカ、近いところではカンボジアやミャンマーなどへ事業を発展させられます。将来は彼らに海外での活躍の場も提供していきたいんです」。 さらに、西村さんはRMIT大学の野球チームをナショナルチームとして認可してもらえるよう国に申請中だという。 「若者を育て、会社を育て、そしてこの国ではまだ広がっていない野球文化を育てたいんです。国の後押しを受けて広められれば、今後、ベトナムの野球がインターネット配信される可能性だってあります。自分の好きなことで新たな事業が生まれて、そこにベトナムの若者が活躍したり夢を持つ場が生まれる。そんな仕組みを作れれば、こんなに嬉しいことはないですね」。 (2009年7月号/ 2010年1月26日 火曜日 15:23 JST更新) |
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