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「いい商品を、いいスタッフと、いいお店で販売する」。 オープン当初から太田さんが、日々思い続けていることだ。 若干25歳ながら、ホーチミン市のブティック「アンアン/an an」の店長を務める彼女。 「国の発展と共に、自分で働いて稼いだお金を、お洒落のために使うベトナム人女性がどんどん増えているように感じます」。 そんな彼女たちに質の高いお洒落を楽しんでほしいという思いから、2008年7月にオープンしたのが「アンアン」だ。主に若いベトナム人女性向けに、日本製のカジュアル服や、ベトナム製の仕事着などを取りそろえている。開店してまもなく1年を迎える今では商品も除々に充実し、顧客も増え、軌道に乗ってきたという。 しかし、やはりオープンした当初は悩みが絶えなかったと、太田さんは振り返る。 「スタッフは全員、私と同じくらいの年齢のベトナム人女性なんです。初めはフレンドリーに接していたんですが、仕事中も友人のような関係になると、店長としての立場が危うくなってしまいました。そこで距離を置いてみたところ、今度は会話がなくなり、ぎこちなくなってしまって」。 オープンから3、4ヶ月、彼女たちとの関係に悩み続けた矢先、体調を崩してしまった。 「そのとき、スタッフたちが具合の悪い私に食事の世話をしてくれたんです。私が仕事を休んでいる間も、毎日彼女たちが店を開けてくれました。それまでは『店長』とはどうあるべきか、ということばかりに気を取られていましたが、ここでの生活は自分の周りにいるベトナム人なしでは成り立たないということに気づかされました」。 その時から、彼女たちに対するわだかまりが解け、自然に接することができるようになった。すると、スタッフたちも彼女の変化に気づいたのか、服のコーディネートやディスプレイ、デザインに関するアドバイスをしてくれるようになったのだ。 「主に日本製の服を置いてますが、ベトナム人のお客様が多いので、スタッフの意見は参考になります。最近では鮮やかな色合いや、フリルがふんだんに使われた派手なデザインが好まれているみたいです」。 日本製の服は質や素材がいいと喜ばれている。そこには、太田さんのこだわりが隠されていた。 「傾向として、ベトナム人は服を消耗品と考えている人が多いように思います。安い服をたくさん買ってダメになったら捨ててしまう。でも、本当に気に入った服に出会ったら、長く着たいですよね。彼女たちにも、そんな楽しみを知ってほしい。だから当店では検品や縫い子さんへの指示をしっかりして、品質にこだわっているんですよ」。 ベトナム人のファッション感覚を知ることで、より店のコンセプトが明確になったと話す太田さん。いろいろな事に気付く中で、彼女が1番驚いたことは、ベトナム人のファッションにも季節感があるということ。例えば、旧正月前の少し気温が下がる時期は、ジャケット、クリスマス前は赤や白の服を求めてやって来るという。 「ベトナム人の望んでいるファッションがようやく、つかめてきました。今後は彼女たちが求めるものを先取りして、新しいけど長く楽しめる、そんな服を提案していきたいですね」。 (2009年5月号/ 2009年5月20日 水曜日 15:46 JST更新) |
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