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「上昇気流に乗って飛ぶパラグライダーにとって重要なのは、日中の気温差と湿度なんです。気温差が大きいと上昇気流が強くなり、高く上がりますが、湿度が高いと、逆に上昇しにくくなります。ですから気温差が少なく高湿度のハノイは、初心者向きといえますね」。 そう語るのは、ハノイでパラグライダーサークルを主宰し、インストラクターも務める賀家さん。 日本で20年以上、パラグライダーやハンググライダーのインストラクターを務めてきた賀家さんが初めてハノイへ来たのは、自身が経営するスカイスポーツ機材の輸入販売会社関連の仕事のためだった。 「活気あふれるベトナムの街に驚くとともに、その購買意欲の高さが印象的でした。これは将来的に商売になるのではないか、と」。 そこで2003年、ハノイに事務所を設け、3年後には常駐するように。しかし当時、ハノイでパラグライダーをやる人は皆無だった。 「パラグライダーサークルを作ろうとしたのは、機材販売のためというより、自分が仲間と一緒に飛びたかったから。結果的に商売につながれば、くらいの気持ちでした」。 しかし、それは容易ではなかった。第一に、民間人が空を飛ぶには軍の飛行許可が必要だったのだ。 「どこに許可を申請すればいいのかもわからなくて。ツテをたどって、どんなかたちででもいいから、空を飛んでる人を探しました」。 そうして出会ったのが、ラジコン飛行機の愛好家グループ。じつはベトナムでは、ラジコン飛行機を飛ばすのにも軍の許可が必要で、彼らは軍主宰の「北部スカイスポーツクラブ/Northern Aero Sports Aviation Club」に属していたのだ。このクラブにはパラシュートのサークルもあり、賀家さんもクラブ内にサークルを作ることに。 最初はわずか5人で始めたが、その後少しずつメンバーが増え、2008年には15人ほどになっていた。しかしその頃になると、賀家さんには別の心配が生じてきた。 「ベトナム人の傾向として、10知らなければならないところを、2覚えただけで、すべて知った気になってしまうところがあるんです。でも、過信が重大な事故に繋がってしまうのがスカイスポーツ。ですから、ちゃんとした協会を設立して、ライセンスや級を設ける必要性を強く感じました」。 ライセンスや級によって客観的に能力を測ったうえで本人に自分の能力を自覚させ、それに応じた飛行計画を組み立てることが、安全な飛行には欠かせないからだ。 そこで、ホーチミン市を拠点とするパラグライダーのサークルに働きかけて、ハノイのサークルとともに2008年11月、パラグライダーの協会を設立した。現在の会員数は約40人。組織図どころか、協会名さえまだ決まっていないこの新しい協会を、きちんと育てていきたいと賀家さんは言う。 「ベトナム人の、先生というものに対する尊敬の気持ちは日本人の比ではありません。なので指導者の言うことは真剣にきいてくれる。だからこそライセンス制度を設け、技能や安全意識をしっかり身に着けたインストラクターを育てたいんです。ともかく、安全に飛んでもらえる環境を作りたい、その一心です。パラグライダーをはじめとするスカイスポーツ全般を、安全なかたちでベトナムの地に根付かせていけたら、と願っています」。 (2009年2月号/2009年3月10日 火曜日 0:34JST更新) |
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