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「ベトナムに初めて来たときの印象は、何か新しいことが始まりそうな、圧倒される空気がみなぎっているところ、というものでした」。 そう語るのは、現在、ベトナム北部山岳地域の農村で、食糧自給確保のための支援をおこなっている「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の伊能まゆさん。 彼女が旅行以外で初めてベトナムに来たのは1997年6月。日本で学んだ国際関係論のテーマを深めようと、ハノイ国家大学に語学留学生としてやってきたのだ。留学生活をスタートさせてまもなく、JVCでボランティアを経験する機会を得る。そのかかわりで、様々な団体の国際協力プロジェクトにも参加。ベトナム全土の農村をくまなく訪問することとなる。 「見るもの聞くものすべてが初めてのものばかりで、とにかく面白かったんです。農村社会の人間関係を垣間見たり、農業そのものにも興味がわいたりで。生きとし生けるものを食べさせてもらってるんだっていう、そんな感情も芽生えてきたりしました」。 しかし反動からか3年ほど経つと、「ベトナムはおなかいっぱい。いったん遠くから見てみたい。」と感じてしまったそうだ。そこで帰国を決意。知人の勧めもあり、日本の大学院で地域開発について学んだ。とはいえ、「ベトナムに行かなかったのは、論文を書いていた2002年度だけ」で、大学院卒業後の2003年に、今度はJVCの駐在員としてベトナムに帰ってきた。 伊能さんが現在携わっているのは、ある村を対象に、食糧・飲料水・家畜の餌・燃料の4つの分野の自給を、将来にわたって確保していくことを目指すプロジェクトだ。棚田などの傾斜地の土壌流出を食い止めるための方策の再検討や、狭い水田に魚やアヒルなどを放して有効利用する複合農業の提案などをおこなっている。 「でも最初は、村の人たちもあまり話を聞いてくれませんでした。今を生きるのに必死で、そんな先のことまで考えられない、といったところでしょうか。それに、農村には色々な人間関係のしがらみがあって、意思決定にとても時間がかかるんです。そこで私たちも、一方的に提案するのではなく、彼らの意見を尊重しながら、必要なときにだけちょっと背中を押すようなかたちを心がけています。また、日本の農家の人に体験談を話しに来てもらったりと、村の人たち自身で気付けるような工夫もしています」。 このような努力のかいあってか、ここ1、2年で、それまで受動的だった彼らの姿勢に変化が見られるようになってきたという。 「ここまでは自分たちでやれるが、この部分はわからないのでJVCにお願いしたいというような提案の仕方になってきたり、地方行政が政策の中に私たちの提案を取り入れてくれたり、ということも」。 現行のプロジェクト終了後は、活動を通じて親しくなったベトナム各地の農家のグループと、何か面白いことを一緒にしてみたいという伊能さん。 「農村の人たちがもともと持っている知恵と、私たちが持つ情報やネットワークが有機的に結びつけば、1+1が5になったりするのかな、と。まだ未定ですが、自給を達成した後の、マーケットへのアクセスなどといった部分にも取り組んでいけたらと思っています」。 (2008年3月号 | 2008年4月16日 水曜日 11:05 JST更新) |
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