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「私は白衣を着るのが好きじゃないんですよ。堅苦しくてね。」 と、にこにこ笑いながら話すこのドクター。その言葉通り、気さくな調子で話す彼は、ホーチミン市のファミリープラクティス医院に勤務する、児玉文宏さんだ。 「東京のような大都会も興味がないんです。祖父が与論島出身だったこともあって、以前から沖縄に行ってみたかったのです。」 鹿児島大学医学部を卒業後、インターンを経て児玉さんが興味を示したのは、僻地医療だった。 ここで役立ったのが児玉さんが専門とするプライマリケア。耳慣れない言葉だが、これは患者の診察の初期段階で、今後の治療プランについて判断・アドバイスをする、いわば「掛かりつけ医」の役割を果たす。その患者が今後、専門的な治療が必要なのか、それとも予防のみで良いのかを患者本人と相談しながら決めていくのだ。 「患者さんは、やはり専門医にかかってベストな治療を受けたいわけです。その際に、どこが良いのか不安を抱えている場合があります。そういう時にこそお役立てる仕事だと思います。」 僻地医療とともに、海外医療ボランティアにも興味をもっていた児玉さんは、医療全般に関して把握しておきたいという気持ちが強かったという。 「海外では、掛かりつけ医がまず診察した後に、アドバイスしたり、専門医を紹介したりがほとんど。日本のように、初診の段階から専門医に直接行ける環境がある方がまれなんです。」 旅行で訪れ「住んでみたい」と感じてやってきたベトナムでも、この姿勢はとても役に立っている。 「国際病院があるとはいえ、1つの病院に全ての専門医がいるわけじゃありません。また、患者さんの年齢や国籍が異なる上、病気も風邪はもちろん、デング熱など日本と違う病気、さらにSTD(性感染症)まで、守備範囲がとても広いんです。だから、視野を広く持たないと対応できない。大きなチャレンジですが、その分やりがいもあります。」 海外で生活する人たちは、自分の身を守るという意識が高いと児玉さんは見ている。 「若くて元気な方だからこそ、海外に住めるのでしょう。ただ、海外生活はストレスの原因ですから、無理して粘らないことが大切。また来院のきっかけになった症状以外にも悩みはないか、見落とさないよう心がけています。言葉の問題などで伝えにくいこともあるでしょうし、いつでも気軽に相談していただきたいですね。電話でお話を聞くこともできますから。」 新たなこの「町のお医者さん」。伸びやかなな口調と丁寧な物腰が印象的だった。 (2006年11月号/2006年11月14日 火曜日 8:44JST更新) |
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