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ホテル関係などの仕事を経て独立、ホーチミン市で鍋料理店を開いたという、少々変わった経歴を持つ鳥羽宏英さん。 「ホテルの販売促進の仕事を通じてベトナムブームの火付けに一役買った。それがきっかけで、ホーチミン市内のホテルに勤務することになったんです。」 その後、鳥羽さんは日系ホテルの立ち上げに関わり、営業・マーケティング部長として外国人市場の開拓に努めてきた。 「僕の中で、大国の首脳やマイケル・ジャクソンのような、世界中の誰もが知っている有名人に宿泊して頂くことが無名独立系ホテルの営業マンとしての目標でした。それが意外なことに、デビット・ベッカムというスーパースターに宿泊頂いたことで、あっという間に実現してしまった。それで次は独立を目指したんです。」 常に目標を掲げて、それを達成する。だが、その苦労を感じさせないほど、彼の口調は常に穏やかだ。 鳥羽さんが鍋料理店「ラウ1000℃」をオープンさせたのは2006年3月。店の売りとなるメイン料理は意外にも豆乳鍋だが、これはあらゆる面を考慮した上での結果だという。 「まずは目新しい料理を出すことと、低コストであること。また、ベトナムでは同業他社による熾烈な引き抜き合戦が日常茶飯事ですが、たとえ調理スタッフが引き抜かれても安定した味を提供できるシンプルな料理であること。キッチンを清潔に保つために油を使わないこと。また、健康のことを考えたヘルシー志向のレストランをめざすこと。これらを総合的に考えて出た結論が、当時日本で人気のあった豆乳鍋だったんです。」 油をまったく使わない鍋料理。特に豆乳はベトナムでも飲まれているため、親しみやすいはず。しかし、現実はそう甘くなかった。 「ベトナム人は味について保守的なところがあるんです。とにかく、知らないものは注文しない。初めて食べる物については、『まずい』とは言わなくても『美味しい』とも言わない。新しいものをベトナムに紹介する、という自分のコンセプトと真っ向から対立しているんです。結局ベトナム人のお客様が豆乳鍋の次に好んで食べるのは、日本人観光客向けに用意したベトナム風鍋料理なんですよ。」 とは言え、客層の8割はベトナム人が占め、中でも家族連れで訪れる人たちが多いという。 「ファーストフードなどの影響で、ベトナムでは肥満児が急増しています。健康志向はなにも先進国のみの特権じゃない。発展途上のこの国にも、今のうちから体に良い食生活を意識して欲しいんです。私みたいにならないように…。味の壁は簡単には壊せないので、粘っていくしかありませんけれどね。」 それでも、ベトナム人の健康ブームを盛り上げていきたいと彼は語る。 「一人でも多くの人に本当の健康食の良さを分かってもらいたい。しかし、それは砂金を探し当てるようなもの。でも、砂金探しの本来の目的は金脈を掘り当てることですから、私もブームの到来を地道に目指していくつもりです。」 (2006年10月号/2006年10月25日 水曜日 10:36JST更新) |
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