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異国で店を持つというのは、一体どういうことだろうか。国が好き、人が好き、気候や風景が好き。人それぞれに理由はあるが、日本とベトナム、ひいては様々な国の人々の間を取り持つ役割を、カフェを通して形にしようとする人たちがいる。ホーチミン市のレタントン(Le Thanh Ton)通りにある「UTOPIA CAFE ユートピアカフェ」のオーナー、江渕真也さんと佐々木英樹さんだ。 「実はこの店ができる前も、ここには日越の交流を掲げた店がありました。しかしオーナーが日本へ帰国することになり、『店を引き継がないか』との誘いを受けたんです」。 彼らは同じ街に生まれ、実家も隣同士という幼なじみ。小・中・高と同じ学校に通い、大学2回生の時には別ルートで共にホーチミン市を目指す旅に出たりもした。そして、その時ベトナムの虜になってしまった彼らは、2006年の2月、遂にベトナムにカフェを開くこととなった。 「誘いを受けても、もちろん最初は悩みました。簡単にできるものでないと分かっていましたから。でも、『ベトナムに関わりたい』という思いの方が強かった。だから挑戦してみることにしたんです」と佐々木さんは言う。 江渕さんは大学卒業後、ベトナムへ語学留学。そのまま現地企業で働きだした。佐々木さんは大学院へ進学し、専攻の研究地域にベトナムを選び、日本との往復を度々繰り返す。そして佐々木さんが大学院を修了した頃、偶然カフェの話が持ち上がったのだ。 「前の店には僕たちも通っていて、オーナーとも顔見知り。でもどうせ作るなら、自分たちの店を作りたい。そこで名前も内装も一新して、違う雰囲気の店にしたんです」。 しかしユートピアカフェは現在、カフェ業務の他、以前からあった在住日本人のためのベトナム語教室やビザ手配など、多岐にわたる業務も引き継いでいる。 「これまでのお客さんに迷惑はかけられませんから。でも業者や管理方法など、僕たちで改めた部分もあります。何をどこまで残すのか、そのさじ加減が難しいですね。でも、ようやくですが、日本人だけでなく、欧米人のお客さんも増え、日越を越えた国際的な交流も生まれてきました。また、日本語を学ぶ若いベトナム人学生が気軽に訪れてくれるようにもなってきて。実はお店の名前はそうした人たちが気軽に集える場所となることを願って付けた意味もあるんです」。 そんな彼らは先日、ベトナムの貧しい農村を回り、定期的に診療を行う日本の医師団のコーディネートも行った。 「カフェを拠点に、旅行に限らず様々な交流を深めたい。まだ問題も数多くありますが、ゆっくりとその幅を広げていければいいですね」。 日本とベトナム、そして世界を繋ぐ架け橋として、交流の場を提供する彼ら。道はまだ歩き出したばかりだが、訪れる客人だけでなく、彼らの店が彼ら自身にとってのユートピアとなるのも、そう遠い話ではないのかもしれない。 (2006年8月号/2006年8月14日 月曜日 10:28JST更新) |
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