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「何より山はきれいでしょう。目の前にそんな山があれば、その頂に立ちたいと感じませんか。」 少数民族が住む村として知られるベトナム北西部の町サパ(Sapa)。そこから西へ9キロほどの位置にそびえ立つ、ベトナム最高峰ファンシーパン(Fan Si Pan/3143メートル)。そこに3度、登頂した経験をもつ小豆島さんは、登山が好きな理由をこう語る。 「頂上にたどり着いた時の達成感や感動、そこから眺める景色を目指して身体を動かし続けることって、とても気持ちがいいんです。もし山頂の天気が曇りだったらですか?残念だなぁ、また登ろう、って思いますね。」 目尻にやさしい皺を浮かべて、彼は微笑む。 観光でベトナムを訪れるようになり、ファンシーパンの存在を知った小豆島さん。外国人の登頂記録は、90年代初めにロシア人が初挑戦して失敗。また1994年には、日本を代表する登山家の1人、田部井淳子氏が登頂、頂上目前では竹林を鉈で切り開きながら進んだという。とはいえ、小豆島さんが挑戦した2000年末の時点でも、情報は皆無に等しかった。 「ベトナムで一番高い山、と聞いたらとりあえず登りたくなります。けれど情報が無いため、どんな準備が必要なのかが全く分からない。結局、日本からテント、シュラフ(寝袋)、食糧、調理セットなどを揃えた重装備で臨みました。」 実際にはすでに道があり、それほどの装備は必要なかったとか。 「富士山に登るイメージで、防寒対策さえすれば大丈夫。日本の山に例えるなら、道の急な程度が、日本で2番目に高い北岳に似ていますね。」 標高約2500メートルの辺りは、藍染で知られる少数民族モン族の生活圏。彼らはポーターとして重い荷物を運んでくれた。 「普段から山を行き来しているからでしょう。彼らの歩き方はとにかく芸術的。こっちが苦しい顔ではいつくばってヒイヒイ言いながら登っているのに、彼らは50キロの荷物を担いでスタスタと歩くんですよ。」 小豆島さんは2006年1月に3度目の登頂を果たしたばかり。しかし素人目には、登山は険しい山道をただひたすら頂上目指して歩き続ける地道な活動。いくらポーターがいるとは言え、体力的にも精神的にも厳しそうだが、どこに魅力を感じて、幾度も登るのだろうか。 「ファンシーパンに関して言えば、モン族の人たちに惹かれたからです。」 彼らに心底惚れ込むきっかけとなったエピソードがある。 「モン族を馬鹿にする言葉を吐いた人物を、彼らが無言で腕組みをして取り囲んだことがありました。手は出さず、プライドを傷つけたことに対して抗議の姿勢を表したのです。なんて純粋で誇り高い民族なんだろうと、彼らが大好きになりました。」 コミュニケーションはもっぱら片言のベトナム語とジェスチャー。それでも通じ合うものがあるという。彼は近々、再びファンシーパンへ向かう。 「モン族に会えるのが楽しみ。彼らのためなら、何でもしたいと思いますね。」 (2006年4月号/2006年4月27日 木曜日 14:48JST更新) |
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