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「わたしは すいかが すきです。」 「わたしは バナナが すきです。」 元気な子供たちの声が、教室にこだまする。トゥイクエ(Thuy Khue)通りに位置する名門・チューヴァンアン(Chu Van An)中学校。ここが、2004年4月に国際交流基金より派遣されてから、ハノイで3度目の春を迎える大舩ちさとさんの職場だ。 「ベトナムでは以前から、日本語への関心が高い一方、義務教育としての日本語教育は、まだ実施されていませんでした。そこで、緊密度を増している日本とベトナムの今後のため、中学校から日本語教育を実現してほしいと願う、在ベトナム日本国大使館服部大使の提案により実現したのが、いま私が関わっている日本語教育のプロジェクトです。まずはモデル校として、チューヴァンアン中学校が選ばれ、日越国交樹立30周年の2003年12月に、課外授業(第二外国語)としてスタートしました。」 始まったばかりのベトナムの日本語教育プロジェクト。義務教育のカリキュラムの中に一教科増やすのだから、その仕事内容は多岐にわたる。子供たちへ日本語を教えるのはもちろんのこと、教科書の作成や教師の育成など、日本語を学ぶ環境から整えるという状況だ。しかも、2003年の開講から約1年半後の2005年9月には、モデル校が8校に増加。その9月入学の中学1年生から第一外国語としても指導を開始したというのだから、そのスピードに驚かされる。 「中国での日本語指導や教科書作成の経験があるので、仕事の大変さは予想できました。でも、赴任前に派遣元である国際交流基金から送られてくる資料を読むうちに、大使立案の国家プロジェクトであることを知り、ことの大きさに不安になったりもしました。」 けれども、ベトナム人の子供たちと接することで、彼女は気持ちが癒されたという。 「とにかく、子供たちが可愛いです。2004年10月に小泉総理がいらっしゃった時、表敬する機会を得たのですが、『何歳ですか?』『ベトナムは好きですか?』など、一生懸命質問していました。そんな彼らの将来のためにも、失敗は許されないと思っています。」 中学校で日本語を学ぶ彼らの今後のことも、大舩さんは視野に入れている。 「高校でも日本語を第一外国語として選択できるようにすること、大学入試も日本語で受験できるようにすることなどが今後の課題です。」 大舩さんは今年4月に任期満了を迎える予定だったが、先日、任期の延長を申し出たという。 「中等教育の専門家として、しばらくは日本語教師の育成、教科書制作を中心に活動していこうと思っています。いい形で道を作ってから、去っていけるのが理想ですね。」 大舩先生に日本語の道を開いてもらった生徒たちが、いつかきっと日本とベトナムの架け橋になって活躍してくれる。その日は、そう遠くないに違いない。 (2006年3月号/2006年3月23日 木曜日 8:13JST更新) |
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