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「野球なんて知らない。見たこともない」という人が多いベトナムで、野球を教え、広め、定着させたい。そんな情熱を原動力に、活動しているのが、西村吉史さんと長尾総一郎さんの2人だ。 西村さんは、野球をアジアのどこかで広めたいと思い立ち、アジア野球連盟の勧めで、野球未開発の地、ベトナムに狙いを定めた。スポーツ専門学校生への野球指導に始まり、2005年4月からはホーチミン市サイゴンサウス学校の理解と協力を得て、ここを拠点に普及活動を行っている。 「以前からベトナムでも外国人が野球を教えてはいたのですが、『普及』という観点から実践していた人はいなかったんです。」 一方、長尾さんは3歳から野球を始め、リトルリーグ、シニアリーグで優秀な成績を残した。その後、野村監督に師事、遂には渡米してプレイリーリーグのプロ選手として活躍した実績を持つ。 インターネットを通じて互いの存在を知った2人はすっかり意気投合。今ではマネージメント面を西村さんが、技術面を長尾さんがそれぞれ担当。彼らの活動は地元のメディアに取り上げられ、野球に興味を持つベトナム人に教える機会も、少しずつだが増えてきているという。そうした中、彼らは、大の野球好きベトナム人青年、ユンさんと出会う。 「野球のないこの国で、手本となる人もいない中、ユンはずっと野球を続けていたんです。そこまで野球を愛せる人がいることを知ったことは衝撃でしたね。」 そんなユンさんをベトナム野球における指導者として養成すべく、現在2人は指導を続けている。 「ユンの野球に対する情熱には、自分たちが忘れていたものを思い出させられます。野球に関してすべてを受け入れ、どんなことでも吸収しようとする貪欲な姿勢。これまで野球をやっていて、これほど純粋で真摯な人にあったのは初めてです。」 しかし、ベトナムで野球を続けていても周囲は「まだそんなことやっているんだ」と冷たい目。日本で同様の経験がある長尾さんは、次のように語る。 「もう少しベトナムの野球が発展すれば、周りの見方も変わると思う。野球という枠ができ、そこに入っていける体制を整えるところまで持っていくのが目下の目標です。」 これほどまでのこだわりと熱意を見せる彼らにとって、野球とは、一体どういうものなのだろうか。 「野球を始めとするスポーツは、国の文化として根付くと僕たちは考えています。そのためにも、ベトナム人がベトナム人のために自分たちで広めていって欲しい。実際、ベトナムに本当に野球が合うかどうか、まだ答えは出ていませんが、アメリカと日本の野球が違うように、彼らが好むスタイルで続けていって欲しいですね。」 まだまだ手探りの状況にもかかわらず「先が見えないのが楽しい」と言い切る彼ら。熱く語ってくれた2人の間に、野球に注ぐ情熱が尽きることはない。 (2006年2月号/2006年2月3日 金曜日 8:14JST更新) |
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