森田 健一さん(サーファー)
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海が好き。サーフィンが好き。
ベトナムの海の良さをもっともっと広めたい。 |
プロフィール
もりたけんいち 1948年東京生まれ。都立高校の元化学教師。2004年4月、長年勤めた教職に終止符を打ち、本格的にベトナム・ダナンにてサーフィン生活を開始。現在、ホームページにて、ベトナムサーフィン情報を発信中。
http://www7a.biglobe.ne.jp/ ̄vietnam |
夜明けのコーヒーを飲みながら海の状態をチェック。朝6時くらいから10時くらいまで、波がある時はいつも海に出ています。」日焼けした顔に、爽やかなブルーのボーダーシャツ。いつの時代も変わらない、マリンスポーツのイメージそのままの森田健一さん。以前、東京の都立高校で教鞭を取っていた、元高校教師だ。
「55歳の時に学校を辞めました。ベトナムでのサーフィンは、2001年にダナンでしたのが初めて。その時の波が本当に良かった。それ以来、住むようになるまで、20回ほど通いましたよ。」
彼とサーフィンの出会いは今から30年以上も前のこと。友人の影響でサーフィンを始め、その面白さに虜になった。日本での住所も藤沢市。東京生まれの東京勤務にもかかわらず、サーフィンのために湘南へ引っ越したという、根っからのサーフィン好きだ。
「一人で行動するのが好きなので、一人でできるサーフィンは性に合ってたんです。それにサーファーは誰もが陽気。海外でも年齢、言葉なんて関係なし、すぐ友達になれるのも魅力ですね。」
そう語る森田さんは、バリやフィジーをはじめ、これまで世界の様々な波に乗ってきた。その実力は、32歳の時、全国大会「全日本マスタークラス」で3位に輝いたこともあるほど。そして、そんな彼から手ほどきを受けた人の中には、現在、プロとして活躍している人も少なくないという。
「ダナンの海は、1993年に世界大会が開かれたこともあり、実はサーファーの間では有名なんです。でも交通の便が悪いせいか、まだそれほど人気がない。ダナンに住んでサーフィンをしているのは、私のほかにはドイツ人とオーストラリア人の2人くらい。だから今は海を独り占め状態なんです。」
ダナンでは10月から3月にかけ、季節風の影響から特に良い波が立つ。そんな場所で人を気にせず楽しめるのは、世界の有名スポットがいつも混雑していることを考えると、天国のようだという。だが、いくら海が良くても、あまりにローカルな土地柄。サーフショップも、もちろん無い。
「ボードに塗るワックスなど、備品は全て日本から運ばなければなりません。それに人を気にせず遊べるのは良いのですが、もう少し仲間や観客がいれば、なんて思う時もありますね。海が良いだけにもったいない。」
そこで彼はダナンだけでなく、ニャチャン、フエなど、各地の海情報を盛り込んだ、ベトナムのサーフィン情報ウェブサイトを立ち上げた。
「今、ベトナムのサーフィン情報サイトはどこにもありません。専門のものは英語でもない。だからか、噂を聞いたサーファーたちから、最近ようやく問い合わせがくるようになりました。」
海に惚れ込み、単身ベトナムへやってきた森田さん。そして、サーフィン三昧の日々で見つけた新鮮な情報は、少しづつではあるものの、効果を見せてきているようだ。
「人がいなくて波もいい。まだ認知度は低いけれど、せっかくの良い海。もっと色んな人に来てもらって、その良さを体感してほしいですよね。」
(2005年8月号/2005年8月3日 水曜日 8:22JST更新) |