伊藤求さん(各種手続き代行)
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よろず手続きお手伝いします
こんな副業ができるのは
ベトナムの家族のお陰ですね |
プロフィール
いとうもとむ。1958年山形県生まれ。デザイン学校を卒業後、アパレルメーカーに就職。その後、貿易会社で韓国および中国との貿易業務を手がける。2000年4月に初訪越。2003年2月、ベトナム人の奥さんとの間に子供が生まれたのを機に、ベトナムに本拠を移す。ホーチミン市で現地法人「T.T.V」を運営している。
http://www2m.biglobe.ne.jp/ ̄saigon/ttv.htm |
ベトナムで法律関係の手続きをするのは、非常に面倒。法律がしばしば改正される上、役所に同じ質問をしても、担当者によって答が異なる場合もある。そんな時の心強い味方がこの人、伊藤求さん。各種手続きの申請代行を引き受けている。
伊藤さんの本業は、実は日本の会社のベトナム現地法人社員。「元々、これを商売にするつもりだったわけじゃないんですよ」と言う。「ベトナムで仕事をし、生活をする上で、必要に応じて発生する色んな手続きには、私も苦労したんですよ。そこで得たノウハウが、同じ悩みを抱えている人たちのお役に立てば、と考えたのが始まりです。」
それが長じて、今や「副業」となっている。最近、人気なのは運転免許の切り替えだ。「この業務をするようになったきっかけは、私の知り合いの交通事故。その時『免許を持っていない日本人が事故を起こしたら大変だ』と思い、昨年4月、私自身が日本の免許をベトナム国内免許に切り替えたんです。その話をすると『自分もやって欲しい』という方がいらっしゃるんですね。今までに20件以上、お世話したと思います。」晴れて、ベトナム国内の運転免許を手にした人たちからは「免許を持っているとやはり心強い」「オドオドしなくなるのか、警官に止められることがなくなりました」と感謝されているという。
もちろん困ってしまうこともある。「ある方に頼まれて、不動産の斡旋をしたときのこと。希望の物件が見つかったので、お客さんと見に行ったんですね。ところが行ってみると大家さんが『その物件はない』と言うんです。」こんな風に、実際にやってみないと、行ってみないと分からない、ということがベトナムでは多いので、苦労させられるのだそうだ。
「この時は、大家さんがその場で『別にもっと良い物件があるから』と紹介してくれた物件を、お客さんも気に入ってくれ即決。こういう良い面でのハプニングもあるのがベトナムですね。」このように、一々目くじらを立てず「悪いこともあれば良いこともあるさ」という伊藤さんの姿勢が、さらに人脈を広げ、それが新しい副業を生むという好循環を招いているようだ。
現在、伊藤さんが手がけているのは、商品買い付けおよび輸出入の代行、事務所や工場の開設手続きといった事業関連の業務から、ローカル病院の紹介、国際結婚の手続き、中古バイクのレンタルなど生活関連のものまで、非常に幅広い。最後に、これだけ手広い業務を可能にするポイントを尋ねると、即座に「人脈、それも家族です」というベトナムらしい答が返って来た。依頼が来るのも人づてなら、解決するのも家族・親族を中心とする人脈が頼りだそうだ。
「これらの副業は、ベトナム人の妻とその親族の存在なしにはとても成り立たないでしょうね。」
(2004年9月23日 17:41更新) |