「ドンコイ/Dong Khoi」とは、「一斉蜂起」という意味。1959年から1960年にかけて、ベトナム共和国(Viet Nam Cong Hoa)のゴ・ディン・ジェム(Ngo Dinh Diem) 大統領政権に対し、ベトナム南部の農村地帯および中南部の山岳地帯の住民が決起した出来事を指す。
特に1960年1月17日、メコンデルタのベンチェー(Ben Tre)省人民委員会書記・グエン・ティ・ディン(Nguyen Thi Dinh)の指導の下、同省モーカイ(Mo Cay)県の3つの村で起きた一斉蜂起は、周囲の住民にも大きな影響を与えた。同年3月にはヨンチョム(Giong Trom)村の女性7000人がストライキを起こし(この頃より、「髪の長い軍隊/Quan Doi Toc Dai」という女性の非武装集団の存在が知られるようになる)、9月にはベンチェーの共産勢力が南部全土における一斉蜂起を発動。こうして、この動きはメコンデルタおよびベトナム東南部へを広がっていった。ちなみにこの後の1960年12月20日に、「ベトナム南部解放軍/Quan Giai Phong Mien Nam Viet Nam」が結成されるのである。
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