レ・タイン・トン(Le Thanh Tong/黎聖宗、 (1442〜1497年)は、1460年に前期レ(Le/黎)朝第5代皇帝として即位。中国にならった政治体制をしき、律令や科挙などの制度を整理して、国をまとめた。またチャンパ(Champa)王国を隷属させ、ラオスのラーンサーン(Lanexang)王国を占領、レ朝最大の繁栄を築き上げた。
ところでベトナム南部では「レ・タイン(南:タン)・トン」は、「Le Thanh Ton」と表記され、「Tong」ではない。歴史研究家グエン・ダック・スアン(Nguyen Dac Xuan)氏によると、グエン(Nguyen/阮)朝時代、第3代皇帝ティエウ・チ(Thieu Tri/紹治、1804〜1847年)は、本名「グエン・フック・ミエン・トン/Nguyen Phuc Mien Tong/阮福綿宗」の「Tong/宗」の字を他人が使うことを不敬とみなし嫌った。そこで、南部に多いグエン一族に、全ての「Tong」を「Ton」(漢字は「宗」のまま)と発音することを命じた。ゆえに、かつてレ朝の治めた北部では今でも「Le Thanh Tong」と書くのに対し、南部では「Le Thanh Ton」と書き表すとのことだ。
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