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「SAKAI!! カバン、モツ。」 なんと、このままコンサート会場に向かうらしい。俺には状況が全然理解出来ていない。 会場に到着すると、師匠は俺を歌手やスタッフに紹介してくれた。でも俺の英語は全く通じない。仕方がないので、俺の最大の武器「SAKAIスマイル」を振りまきペコペコ挨拶しておいた。 ステージが始まった。なんだか日本の歌謡ショーのような雰囲気だ。ベトナムでは歌手が単独コンサートを行うことは珍しく、いろんな歌手が交代で出てくる。 ゴック・ソンが歌い終わると、アンコールが轟音のように会場に鳴り響く。彼の姿は、俺が昔から憧れていた「スター」そのものだった。実際にパフォーマンスを見て圧倒された。 楽屋で、汗だくになった師匠の顔をハンカチで拭き、オレンジジュースを差し出す。他人に指図されるのが大嫌いなこの俺が、彼の為だったら何でも出来る気がした。その時、 何とコンサートは、ここだけではなく、1日に何ヶ所もの会場で歌うのだという。最後のステージが終わったのはなんと午前1時。俺は弟子入り成功に喜ぶ間もないまま数時間、全てのコンサートに同行したのだった。 自宅に着くや否や、師匠ゴック・ソンは、家で待っていた友人たちを2階のリビングに呼び入れ、酒盛りを始めた。時すでに午前2時。本能の赴くままに生きているようだ。 俺も何か食べようと箸を持とうとしたら、いきなり手を掴まれた。 「SAKAI、オドル。ワカッタ〜? ハァ〜ン?」 真夜中2時過ぎ、いきなりダンスレッスン開始。酒盛りの横で、俺は言われるがまま必死に踊り続けた。 いつのまにか時計は午前5時を指していた。酒盛りも終わり、俺は踊り続けて3時間。 「SAKAI、OK。」 師匠は、ようやく俺の肩を叩いてくれた。これから毎日3時間は踊れとのこと。じゃあ肝心の歌はどれだけ練習するんだろう? ベトナム語を覚える時間も欲しい。 「SAKAI、ココニネル。マタアシタ、オヤスミナサイ。」 トイレ横にある部屋を指差した。こんな豪邸だから、貴族みたいな大きいフカフカベッドで眠れるんだろう。 ウキウキしながら、その部屋に入ってみると、シングルベッドに上半身裸で汗だくのオッサンが2人並んで寝ている。部屋中にゴキブリの気配アリ。俺はこんな部屋で弟子入り生活を始めるのか? 何だか急にWADAが恋しくなってきた。 文★SAKAI (2007年1月号/2007年1月17日 水曜日 10:31JST更新) |
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