そもそも創業社長という人種は、企業の大小を問わず強烈な個性の人が多く、その方向性は総じて攻撃的なので、プライベートでは友人が少なかったりします。外から見ると魅力&活力に溢れ、新しく知り合う人と急速に近づくのも得意。ですが、距離の取り方が人よりも近過ぎるため、うっとおしがられるのも早い。そのため次から次へと他人にイイカッコをしては、焼畑農業の如く付近の人間関係を荒らしていく傾向があります。微調整や後始末に苦労するのは常に傍に居る人間(部下や家族、昔からの友人)だからです。「わかっちゃいるけどやめられない/BY
植木等」と言いますが、本人も多少の罪悪感を感じつつ、でもこれは治せない病なのです。
貴男の取るべき道は、一つ。社長に本音をぶつけて信頼を勝ち取り、貴男の判断を社長が尊重&採択するような関係を築くこと。ただし社長と同じ熱情家である必要は無く、むしろ距離を保って冷静なスタンスを崩さぬように。また社長の寂しさを理解する懐の深さも、貴男の武器を一つ増やすことになります。もちろんそれには貴男自身の仕事に対する確固とした技術と意欲、そして責任感も必要です。貴男の発言力は、雇用者から見て現実に仕事を動かす力と比例するのです。
力なき正義は無力なり。自分の居場所は自分で作らなければ誰も与えてくれません。他者には他者の事情がありますが、自分の願望どおり他人が動いてくれることは非常に稀。真心と利得の両刀を使い分けながら、血路を切り開いてください。
【今月のまとめ】
どんなにその人を愛していても、その人のために全てを犠牲にしてはならない。なぜなら、必ず後で、その人を憎むようになるからだ。by
曾野綾子