四苦八苦、というのは仏教用語ですが、その中の一つに<怨憎会苦(おんぞうえく)>があり、「嫌いな人間に出会う苦しみ」のことを指します。生きている限りは<自分と合わない人間>との出会いは避けられないものであって、勝負して屈服させるか、どこかで折り合いをつけていかない限り、逃げるかしなければいけないので、皆なんとか辛抱しているのが現代社会。「正しい事がしたければ、偉くなれ」と言ったのは長介演じる老刑事でしたが、貴女自身にそれを追い求める覚悟と情熱が無いのであれば、同僚や部下が心配だといったところでゴマメの歯軋り&対岸の火事というもの。自分が口にしているのも単なるキレイごとにすぎないことを先ず自覚してください。誰かの得は他の誰かの損。自分の安寧は他人の労苦の上に成り立っているものなので、立場が違えば利害も自ずから変ってくるもの。貴女の感じる上司への怒りは万人に普遍の真理ではなく、あくまで貴女の立場からの見方であることを差し引いた上で、それでも尚ハラが立つというのであれば、送別会の席上で酔ったフリして言いたいことをぶちまけてやればいいのです。なるべく相手が理屈で反論しにくいような、感情的でレベルの低い罵詈雑言が好ましいのですが、やるんだったら中途半端で止めずに相手が怒って帰るぐらいのことを言ってやりましょう。ただし貴女自身はあくまで小馬鹿にした半笑いのスタンスを保ち、逆上しないよう注意。子供のケンカは泣いた方が負けです。
【今月のまとめ】
私も人間でありながら、
その人間が、私を人間嫌いにさせてしまう。by ルナール