ぶっちゃけた話、若社長と呼ばれる人には気前の良い好人物が多くて友達にするにはいいのですが、その分ワキが甘くて人につけ込まれやすいと言う弱点があるような気がします。ましてや日本人というのは、外国人から「マイフレンド!」といわれるとのぼせ上がる傾向の強い国民です。裏があろうと無かろうと、自分を誉める言葉に冷静でいられるゴルゴのような人間は滅多にいません。いい気分になった後にはお願い事がセットでついてくるの が、悲しいかな、現実と言えましょう。なかには本当に困っている人から助けを求められる場合もあるでしょうが、援助するなら一切、見返りを求めてはいけません。恩返しで一生懸命働くだろう、とか思ったら大間違いで、喉もと過ぎれば熱さを忘れる。というよりその時点では新たな現実や問題と直面しているのが人間の実生活であると言えます。どこの国でも、人からもらったものを、長期間にわたって大事にするケースは稀なのです。
じゃあ、どうすればいいのか? 無責任なようですが、貴男の仕事のスタイルは貴男が自分で完成するしかありません。その代わり、シビアな環境の中で得た物や知識は貴男だけの強力な武器となり、物言わずとも発散されるオーラとして貴男にまとわりつくことでしょう。文化も生活環境も違う国での戦い。これは現場のベトナム人や同僚の日本人、そして日本の本社の御父上や重役の方々と、という意味だけではなく、最大の敵は貴男自身です。他人のアラに気を取られると、自分の修行が疎かになりがちです。誇りを傷付けられても、打ちのめされても、涙を拭いて立ち上がってください。努力なくして成果なし、成果なくして評価なし。貴男が自分の力で何かを勝ち得たとき、きっと周囲の見る目も変わります。がんばってください。
【今月のまとめ】
英雄とは、自分のできることをした人である。
しかし凡人は自分のできることをせず、
できもしないことをしようとする BY ロマン・ロラン