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「それも俺が払うの!? 何から何までベトナム嫁が私のこづかいから支払いを…(泣)」 |
こんにちは29屋さん。私はホーチミン市で子供2人に嫁1人の家庭をかまえる日本男児なのですが、月々のこづかいをめぐる問題で悩んでいます。共稼ぎのわが家では、私も嫁も給料の全額を家計用の帳簿に入れ、食費や家賃、子供のための積み立てなどはそこから。それとは別に、お互いに月々こづかいの額を決めてやりくりしています。しかし家計を管理する嫁の決済基準はきびしく、ちょっと買い物をしたり、家族や友人と食事をした際、なぜか私に支払わせてそのまんま、ということが多いのです。先日など買い物の途中、子供たちと手をつないで私の両手がふさがっているのをいいことに、私のズボンのポケットから当然のように財布を出して支払っていたのですからたまりません。文句を言うと「ケチ臭いこといわないでよ!」と逆ギレされる始末。いったいどうしろというのでしょうか?
PN:ミスターがんもどき(35歳♂ 外資系企業現地採用:ベトナム在住8年目)
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「過酷な統治政策に対して正面突破はNG。のらりくらりと隠し兵糧を蓄えるべし」 |
ダイナミックな技と情熱をむき出しにしたファイトで人気のプロレスラー・小橋建太選手の若手時代、ジャイアント馬場の付き人だったときのエピソード。ある巡業中、新幹線のホームで荷物運びをしていると、いきなりジャイアント馬場から「おまえには隙がある!」と、平手打ちを喰らったそうです。両手がカバンでふさがっている状態での、この理不尽な仕打ちには同情を禁じ得ないのですが、馬場は常々「いかなる瞬間に、どのような攻撃を受けても、怪我をしないのがプロレスラーである」という心得が必要と説いていたらしく、「日常生活の中であろうと、決して気を抜いてはいけない」というプロ意識を体で教わったといえます。まあ、ひねくれた見方をすれば、単に馬場の機嫌が悪くてウサ晴らしの標的にされただけ、という可能性もありますが。
さて、貴男の場合。こづかいという範囲内で「自治」を与えられたという考え方もできますが、そうは問屋がおろしません。貴男の財政が、ベトナム人の奥さんに共通した「ある疑念」のもとに、さまざまな賦役を課せられているということを自覚しておられるでしょうか? その「疑念」とはズバリ、「男は余計な金を持つと浮気をする」という、妄想にも似た愛情の裏返しであります。
「えぇっ!? 俺、なんにも心当たりが無いぞ?」と思うかもしれませんが、残念ながら、そんな申し開きは通じません。これは、かつて江戸幕府が諸大名を統治するために、参勤交代や公共事業などの財政的負担をおしつけて経済力を削り、それでも足りなければ言いがかりをつけてお家を断絶させたり、石高を削ったりしたのと同じこと。「危険性が現在ないとしても、将来「その気」にならないよう、普段から弱体化させておこう」という深謀遠慮の一環なのです。
また、たとえ貴男が、非の打ち所のない愛妻家であり、「飲む・打つ・買う」に一切興味が無いカタブツであったとしても、ベトナム人である奥様から「度を越えたゼイタク」と思われるものは結構多いはず。たとえば日本帰国時に買ったり、あるいは日本から取り寄せたりした本やCD、趣味の道具などは、日本人夫婦でさえも「また、そんな変なもの買って(怒)!」などと口論の種になるもの。さらに日本人とベトナム人では「物価の感覚」や「文化に金をかける精神風土の有無」が大きく違います。結果、「ダンナは無駄なものに大金を使う余裕がある」→「だったら家族や妻のために使わせたほうが有意義」となり、機会を見つけては貴男に支出を迫るのも、奥様の側からみれば「当然の正義」なのです。
では、どうするか。いきなりケチに徹して支払いを拒否すると、家庭内の平和が崩れ、こづかいを削られるよりも恐ろしい事態になります。そこで、奥様と行く食事やお茶、奥様が自分で使うちょっとした小物などは、内心の苦渋を押し殺してでもにこやかに支払い、ポイントを稼いでおきましょう。一方、家庭の日用品や食材などの買い物は、きっちりと家計から精算する。同時に、薩摩藩が幕府に内緒で琉球と貿易をして財源を確保した歴史を見習い、何がしかの副収入またはへそくりを隠し持つことをオススメします。ただし見つかったが最後。あることないこと疑われた挙句、さらにきびしい待遇になるのは確実なので、「いかなる瞬間に、どのような追及を受けても、決してバレない」ようにがんばってください。ガッツです。
【今月のまとめ】
「幸福であるには2つの道がある。欲望を減らすか、持ち物を増やすかである。 そのどちらかでも幸福になれる」
by ベンジャミン・フランクリン
オフィスジパンング・今日の弁当
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(2008年9月号/2008年9月15日 月曜日 12:32JST更新) |