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「どこまでが真実なのか?困っているベトナム女性にお金を貸したら・・・」 |
29屋さん、こんにちは。先日、いきつけの飲食店の女性スタッフから「誰か数千ドルほどお金を貸してくれる人を紹介して欲しい」と言われました。何でも「母親の腎臓の調子が悪く、専門医による治療が早急に必要」だそうで、仕事をしながら大学に通う彼女にそんな大金があるはずもない。今まで彼女から物やお金を要求されたこともありませんし、何より本当に困っているようなので、自分のヘソクリの中から2000ドル用意して「返すのはいつでもいいから」と渡してあげました。ところが後日、店に行ってみると、化粧ポーチが高級ブランドものになっていたり、携帯電話が最新モデルになっていたりしています。本人は「プレゼントでもらった」などと言っていますが、非常に怪しく思えてなりません。かといって、嘘だと決め付けて問い詰めるのも気がひけます。どうしたらよいでしょうか?
PN:アブドーラ・ザ・坊ちゃん(43歳♂:ベトナム在住1年弱)
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「そのお金でロマンと苦い経験を買ったと思って、いさぎよく諦めるべし」 |
ベトナムのことわざで「女にあげた金が戻るかどうか、はしごをのぼって天の神様に聞いて来い(=絶対無理)」というものがあるそうです。貴男と彼女がどの程度のご関係かは知りませんが、事情はどうあれ、上手く釣り上げられてしまったとしかいいようがありません。若いとはいえ、実に見事な天才釣師ぶりです。
まず、最初の切り出し方が心憎い。貴男に直接借金を申し込むのではなく「誰かを紹介して欲しい」といっているところが、実に巧妙です。一見、「貴男には迷惑を掛けたくない」という誠実なスタンスに見えるのですが、ちょっと考えてみればこの申し出がいかに反則スレスレであるかということがわかりそうなものです。
貴男がよっぽど図々しいか、あるいは貴男の言うことを何でも聞いてくれるお人よしのお金持ちが知り合いに居ない限り、「これこれこういう女の子がいて、かわいそうなので数千ドル貸してやってくれ。でもいつ返せるかわからないから、催促なしで気長に待ってあげてね」と他人に言えるわけがありません。結局、「そんな知り合いはいない」→「彼女が困って泣く(含:フリ)」→「見捨てるか、男気を発揮するかの選択を迫られる」という展開に追い込まれるのは必定なのに、それを承知の上でこんな大技をヌケヌケと繰り出してくるところが、非常に大胆な戦略であると言えます。
さらに勘繰ってみれば、彼女は貴男以外の日本人客に対しても同じように援助要請をして、それぞれから数百〜数千ドルを受け取っている可能性だってありますし、そのうちの少なくとも何割か(あるいは全部)が、貴男が目撃したような「彼女自身へのごほうび」にバケているのは間違いなさそうです。
貴男にしてみればさぞ腹の立つ話でしょうが、残念ながらこういうケースはベトナムだけでなく、日本やタイ、フィリピン、中国など、とにかくどこにでも転がっている話。むしろ、今後の人生に影響の出ない程度の金額で、一生使える自虐トークのネタを手に入れたと割り切ったほうが、はるかに前向きというものです。
それにもし、仮に彼女のお母さんの病気が本当だったとして、貴男はいつまでその話に付き合うつもりだったのでしょうか? たとえば彼女の話どおりに専門医診断を受けた結果、「アメリカで移植手術が必要だ」とか、「1回500ドルかかる治療を2週間に1度、一生続けなければならない」とか言われ、引き続き援助を要請されたとしたら?
もちろん常識で考えれば、彼女の親族でもなんでもない貴男がそこまで面倒を見る義理がないのは当たり前ですが、そんな「賭け金の高いポーカーゲーム」に足を突っ込ませた挙句、「あとは自分で何とかしてね、じゃあバイバイ」と置き去りにするのは、はたして本当に「親切」でしょうか。「彼女に恩を売っておいて、あわよくばどうこうしたい」という下心が無かったにしても、「若い娘にちょっといいカッコして感謝してもらいたい」などというカッコつけは、傍からみれば十分にスケベエです。中途半端な覚悟で他人の人生に関わった場合、必ずしも美しいエンディングを迎えられるわけではないので、「あえて踏み込まない勇気」をガッツで発揮してみてください。
【今月のまとめ】
「あなたを愛している女性は将来の話をする。
あなたを愛していない女性は……プレゼントの話をする」
by モーリス・ドゥコブラ
オフィスジパンング・今日の弁当
29屋さんの日記、他ベトナムの宅配弁当店オフィスジパングの弁当ニュースなど。
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(2008年6月号/2008年6月16日 月曜日 10:34 JST更新) |