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「進むべきか、退くべきか!?単なる女友達のはずがストーカー予備軍に」 |
29屋さん、こんにちは。ボクは、自他ともに認める普通のルックスで、どちらかといえば「中の下クラス」に入る田舎者。日本でもベトナムでも「モテて困ったなぁ」という経験は全くありません。ところが、学校で知り合ったベトナム人の女の子が、周りにけしかけられるうちに「その気」になってしまったらしく、一方的に追いかけてくるようになりました。行く先々にぬーっと現れたり、「今度の休みにエビの養殖池を見に行こうよ」などと、あまりロマンチックではないデートに誘ってきたり。鬱陶しいので放置していると、ある日、友人に託してプレゼントを贈ってきました。ですが、なんとラッピングされた箱入りの蛇のヌケガラ。「これが私の気持ちです」と書かれたメッセージまで添えられ、ブキミな上に意味がわかりません。いったい、どうしろというのでしょうか?
PN:ビッグ・ザ・ぶどう酒(21歳:♂ 学生・滞在8ヶ月目)
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「下手なフォローは更なる泥沼への第一歩!同情も欲情も禁物です」 |
女心をもて遊んだ報いというのは、古今東西、ロクな結末を迎えないことが多く、ここベトナムの場合も大変です。たとえば、夜道を1人で歩いているときに、突然、見知らぬバイクが追い抜きざまに硫酸やマムトム(注:ベトナム名産のエビを発酵させた調味料。ビックリするぐらい臭い)をぶっかけてきたりすることもあるとか。とはいえ、貴男の文面から察するに、貴男はまったく彼女に関心がなさそうだし、気のある素振りを見せて恋の駆け引きを楽しむどころか「据え膳」を無視する野暮天ぶり。ここはひとつ、その冷淡さを最後まで貫き通し、余計な希望を彼女に抱かせないことこそ、日本男児の優しさかと思いますが、実は、今回の問題の核心はそれではありません。
唯一にして最大のナゾ。それは、もちろん「いったいぜんたい、なんで彼女は蛇のヌケガラなんか贈ってよこしたのか?」に尽きます。むしろ、これ以外の「悩み」は、「スペースの都合」と称して無視させていただきたいくらいです。何らかの禅問答なのか?単なるイヤガラセなのか? それとも、「これ食べて、たまには栄養つけてね」という思いやりなのか? いやはや、乙女の心は謎に満ちております。
ちなみに、日本では「蛇=神様の遣い」であり、「蛇のヌケガラを財布に入れておくとお金がたまる」というオマジナイまであるそうですが、果たしてベトナムでも似たような風習があるのか。当店のスタッフや家族に聞いてみたところ、「まったく聞いたことがない」とのこと。蛇料理のフルコースでも、「ヌケガラをふりかけ代わりにして食べる」というレシピはないそうですし、常人には解釈しがたい難問であります。
かといって、正解を聞くためにわざわざデートに応じたくなるほど可愛らしいナゾ掛けでもないところが腹立たしく、かつ危険でもあります。ひょいっと興味半分で覗き込んだ瞬間、ドツボにはまるのが食虫植物というもの。義理も愛情もない相手を満足させるために、無駄なリスクを犯すのは得策とはいえませんので、この際、放っておくしかありません。彼女の持っている「正解」なるものが何にせよ、どうせ「風が吹けば桶屋が儲かる」式にこじつけた、しょうもない少女趣味に過ぎないことは明白ですから、そんなわかりにくい暇つぶしに付き合わなくてもいいのではないでしょうか?
かくなる上は、彼女の方が、貴男を見限るようにするのが一番。通常、あまり話をしたことのない人間を一方的に好きになる人というのは、かなりの強度で自分の願望や理想を無理やり投影しているもの。アイドル歌手を「理想の男!」と決め付けて追い掛け回すのと同じ理屈です。その幻想を力づくで引き剥がすために、だらしなくてみっともない醜態(例:授業中におもらし。急に小銭にセコくなる。など)を演じ続けていれば、きっと彼女の「百年の恋」も、醒めることでしょう。ただし、彼女以外のほかの女性からも一切モテなくなる恐れがあるので、くれぐれも慎重に!
とまあ、今回は「ヘビー」なお話でした。…あっ、モノを投げないでくださいっ(泣)。
【今月のまとめ】
「貞淑さを失った関係はわびしいが、貞淑をいつも必要としている関係は、もっとわびしい。」
by 寺山修司
オフィスジパンング・今日の弁当
29屋さんの日記、他ベトナムの宅配弁当店オフィスジパングの弁当ニュースなど。
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(2006年120月号/2006年10月2日
月曜日 10:44JST更新) |