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「今日もまた乙女のピンチ!町を歩けば、ベトナム男が寄って来て…」 |
29屋さん、聞いて下さい。私はごく普通の体育会系三十路女。日本ではコワモテキャラで男性からは全く相手にされない生活をしていたのですが、ベトナムではモテてモテてつくづく困っています。こう書くと「自慢か?」と思われるかもしれませんが、問題は、近寄ってくる男どもがどれも普通ではないこと。建設現場の労働者がからかって石を投げてきたり、見知らぬおじいさんにすれ違いざまにつかまれアザができたり、タクシーに乗れば初対面のドライバーに「運賃タダにするから結婚しよう!」と拉致されそうになったり。挙句、先日はバスの中で露出狂に遭遇! 「ここでひるんではいけない」と必死にメンチを切るも、逆に喜んでいると勘違いしたのかヤツの「行為」はエスカレートし、やむなく退散。悔しくて仕方がありません。良い逆襲の手立てを教えてください。
PN:キャシー塚本予備軍(32歳:♀
ハノイ駐在歴1年半)
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「井の中のお嬢さん、ジャングルを知らず。"弱い女"にも最強の武器がある」 |
体育会系の女子の皆さんにありがちな自己卑下で、「どうせ男は、カワイイ女の方が好きなんでしょ?」というのがあります。確かにそれはそうなんですが、早トチリしてはいけません。池波正太郎先生が「鬼平犯科帳」の中で言っているように、本当の男の気持ちを理解して、痒いところに手が届くように接してくれるのは「男のようにさっぱりとした気性の女」に他なりません。つまり、長い目で見たら、体育会系でキビキビと余計なことを言わずにサポートしてくれる女子こそ、サムライの国の男子の女房に本来ふさわしいはず。
にもかかわらず、モテないというのは、相対的に男性が弱体化している証でもあるのですが、男女を問わず、たまにガサツでデリカシーがないためモテない人がいるのも確か。ですが、それは「体育バカ」と言うより、むしろ「バカ体育」。単にマナーや人情を知らない乱暴者なだけので、この際、それは別モノと考えましょう。
さて、本題。結論から言えば、なんぼ貴女が「コワモテキャラ」といったところで、ベトナムの悪ガキ男子から恐れられることは、まずあり得ません。ちょっとしたガイドブックにも必ず載っている「カカア天下のベトナム人」なるコラムをナナメ読みするか、1週間でも当地で生活してみればわかること。「近所の市場のオバハンの強烈なノノシリあい」や「夜遊びが過ぎたダンナを懲らしめる嫁の咆哮」を子守唄代わりに育っている彼らからしてみれば、お人良しで名高い日本人が目をむいて睨みつけたところで、大した効果があるとは思えないからです。
と、なると、貴女が取るべき護身策は、2つに1つ。ベトナム女性流の豪腕ファイトを身につけるか、外国人女性として一切の愛想を許さずにビジネスライクな手段に訴えるかです。どちらにしても、中途半端に終わると逆恨みされる恐れがありますし、「徹底抗戦」を覚悟してもアウェイの不利があります。このような卑劣漢相手には、暴力よりも権力の方が効果的ですので、相手の雇い主なり公安なりに、貴女が感じた身の危険を涙まじりで訴えてやるのがいいでしょう。ただし直接交渉せず、間に大家さんなり弁護士なりといった代理人を立てた方が無難です。その際、事実に沿って多少の誇張が入るのは許容範囲。女は生まれながらにして女優であり、弱者・被害者ほど強い立場はないのですから。
ただひとつだけ。「すれ違いざまに、いきなりつかんで来る見知らぬおじいさん」のことですが、私が思うに、その人こそ、今は亡きフリッツ・フォン・エリック(知らなかったらお父さんぐらいの世代の人に聞いてください)のアイアンクローの伝承者かもしれません。そうでもなければ「辻斬り」ならぬ「辻つかみ」をやる理由が想像できないではないですか。次に出会うことがあったら、レフェリー&観客の立会いの下で、スパーリングのひとつでも相手してあげてください。きっと、死闘の果てに奇妙な友情が芽生えることでしょう。ガッツです!
【今月のまとめ】
「少女の恥じらいと、熟女の恥じらいの差は、未知への恐れと、知り過ぎているための羞恥との違い。」
by 阿木耀子
オフィスジパンング・今日の弁当
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(2006年10月号/2006年10月2日
月曜日 10:44JST更新) |