|
|
「小さな親切=大きなお世話!お願いだから、ほっといて…。」 |
29屋さん、こんにちは。夫の赴任に伴いベトナムに来て1年、ベトナム人のおせっかいぶりには我慢がなりません。私は結婚して8年、まだ子供がいないのですが、日々必ず聞かれる質問は「いくつだ、結婚しているか、子供はいるか?」。「いない」と答えると、「8年も結婚していて子供がいないなんてあり得ない」から始まり、「ダンナの精液検査はしたか?」、「なぜ人工授精しないんだ?するべきだ!」、「絶対子供ができる漢方医がいるから紹介する。何なら連れていこう」と更にパワーアップします。「なんでよく知らない相手のプライバシーをそこまで侵害するの!」と最初は憤慨していましたが、最近では「子供がいないのって何て惨めなんだろう」と落ち込むようになってしまいました。どうしたらいいでしょう?
PN:サイゴンモリン(39歳:♀主婦)
|
|
「赤の他人の興味本位の手出しを、いちいちマトモに相手する必要なし」 |
知り合いのベトナム人女性数人に「何にでもクビを突っ込んでくる『おせっかいオバさん』ってどう思う?」と聞いてみたところ、ほぼ全員が「腹が立つし、イヤだ」と断言。やはりベトナム人同士でも嬉しいものではないようです。
総じてベトナムの人たちは、「黙っている=退屈=この人と一緒にいてもつまらない」と思われてはいけないとばかりに、日本人同士であれば遠慮して聞かないようなことまでグリグリと押し入ってくるように感じられます。「ゴハン何食べた?」「恋人いる?」「給料いくら?」エトセトラ…。これは日本人で言うと、「今日はイイお天気でよかったね」ぐらいの時候の挨拶ですが、そこで真剣に「でも、うちは米農家なのであんまり日照りが続くと困るんですよ」というガチンコの返答をしてしまうと、相手も引っ込みが付かなくなってしまいます。ボクシングで言うと、試合開始直後のジャブの応酬なのに、そこで全力を出してスタミナを消耗しては、ペース配分は滅茶苦茶です。上手に、フットワークを使ってかわしましょう。
まず、医者でもない人間にいちいち細かいことを教えてあげる道理はありません。「こればっかりはブッダが決めることだからね」で済ませ、話題を変えるなりお茶を飲むなりして、相手の思いつきや申し出に対しては、「ありがとう、必要なときは、こっちからお願いするわ」の一言で済ませること。無神経に、さらに突っ込んでくるなら、「ありがとう、必要なときは…(以下略)」とオウム返ししましょう。
ちなみに、万が一「そこまで言うんだったら、お願いするわ」と、病院なり漢方医なり呪術師なりを紹介してもらったとすると、その後の貴女の検査結果や経過についての情報が、どこかのベトナム人家庭の食卓の団欒をにぎわせる確率は低くありません。
向こうには@「だってホントのことじゃない」、A「アナタのためを思って言ってあげてるのに」B「他の人はもっと良い情報を持っているかも」という『大義名分』が3つもあるわけですが、それがズケズケと何を言ってもいい理由にはなりません。それに、貴女の直接の顔見知りの段階であれば、まだ多少の真心を期待できますが、それ以降の人間にかかれば「私の『友だちの友だち』で、こんな人がいてさぁ…」などと、途端に無責任かつ気楽な話にされてしまうのは日越の国境を問わない事情であります。
そもそも「おせっかい」とは、真に相手の幸福を願っての心から出たものよりは、好奇心や暇つぶしが優先されているような場合がほとんど。ましてや他人のプライベートの悩みと言うのは密の味のする格好のエンターテインメント。貴女の苦悩を分かち合いたいと言う真心の割合は非常に微小であることが推察されます。
結局のところ、貴女の苦悩を理解して、有益な情報を共有しあえるのは、何人であろうと「同じ悩み」を持つ人だけでしょう。かくいう私も、まさに「ブッダの決めたこと」である「授かりもの」に対しては有効確実な回答を持ち合わせておりませんが、貴女の思いが科学の力を借りてブッダに届く日が必ずや来ることを、心からお祈り申し上げます。その日まで、どうか、望みを決して捨てないでください。
【今月のまとめ】
「『望む』また、『生きる』、それらは別々だ。
だが、肝心なことは、望んだり生きたりすることに飽きないことだよ」 by ロマン・ロラン
オフィスジパンング・今日の弁当
29屋さんの日記、他ベトナムの宅配弁当店オフィスジパングの弁当ニュースなど。
http://blog.livedoor.jp/info29/
※編集部では、皆さんの明るい悩みを募集しています。
秘密厳守。 相談先は、コチラまで。お待ちしております。
(2006年2月号/2006年2月13日 月曜日 8:16JST更新) |